夢をかなえるためにミラン移籍を切望したザッカルド
元イタリア代表で先週パルマからミランへと移籍したDFのクリスティアン・ザッカルド。ワールドカップ優勝メンバーの1人であり実力も十分だが、31歳になるまでいわゆる“ビッグクラブ”と呼ばれるクラブとは無縁のキャリアを過ごしてきた。
ボローニャの下部組織出身のザッカルドは現在ウディネーゼの指揮官を務めるフランチェスコ・グイドリンに見出された。SBとしてのイメージが強いが、3バックの右ストッパーとしてセリエAデビュー。2004-05シーズンからパレルモへ移籍すると右サイドバックで定位置を確保。4シーズン連続で35試合以上に出場し、セリエAでも屈指のサイドバックへと成長遂げた。
2006年にはワールドカップドイツ大会に出場。代表監督リッピの評価は高く、開幕からレギュラーとしてプレーしたが、グループステージ2試合目のアメリカ戦で痛恨のオウンゴールを献上。3試合目からはポジションを失う苦い経験をした。
移籍先候補に複数のビッグクラブの名前が挙がる中、2008-09シーズンにブンデスリーガのヴォルフスブルクへ移籍。パレルモ時代の同僚アンドレア・バルザーリと共にドイツへ渡るもコンスタントな出場機会を得ることは出来ずに移籍は失敗に終わる。僅か2シーズンでイタリアへ戻ることとなったザッカルドだが、やはりカルチョの水が合うようで、2009-10シーズンから所属しているパルマでは再び安定感のあるサイドバックという本来の姿を取り戻す事に成功。今回、ミランへの移籍に繋がった。
パルマのゼネラルディレクター、ピエトロ・レオナルディは、今回の移籍についてザッカルド本人がミランへの移籍を切望していた事を『Sport Italia』に明らかにしている。
「彼はミランへ行きたがっていた。こういう場合、我々はもし残留する意思があるなら残るように求めている。だが彼は夢を叶えることを望み、我々は彼の提案に従って送り出したよ」
「ザッカルドのキャリアが彼自身を物語っているよ。彼は偉大な経験を持っており、ミランの他の選手たちにそれを与える事ができるね」
“はじめてのビッグクラブ”。百戦錬磨のベテランがどのような存在感を発揮するか、非常に注目したい。
(筆:Qoly編集部 L)