ダークホース、イストル&アンジェ&ギャンガン

絶対的な戦力ではやや劣るものの、今季昇格争いに絡んでいる3チーム。ここ数年安定して中位から上位に入る結果を残しているアンジェ、昨季ナショナルから昇格したばかりで7位という好成績を残したギャンガン、09/10シーズンの3部降格危機を乗り越え徐々に力を付けてきたイストル。皆久々の一部昇格に向けて意欲は高い。


アンジェ:基本フォーメーション

今季堅守を誇るアンジェは、失点の少なさと「ルーマニアの怪童」クラウディウ・ケセルの覚醒が躍進の鍵となっている。強烈な左足を持つケセルは、わずか17才でルーマニアリーグでデビューを飾り、ユース代表のエースとして活躍した。しかし2003年にナントに移籍してから、長らく伸び悩んだ。同時期に起用されたディミトリ・パイェットがフランス代表に上り詰めるのを横目で見ながら、ケセルは悔しい日々を過ごした事だろう。今季は圧倒的な勝負強さでゴールを量産、26才にしてようやくのブレイクを果たした。

マンソーやオリアクといった真面目な選手が中を固め、様々なところでプレー出来るフリケシュが第一サブとして重要な役割を担う。攻撃面では、エル・ジャデヤウィとラヴェ以外にもなかなかの選手が揃い、ディエゴ・ゴメスとディエルスが地味ながらも結果を残す。またジャン=ピエール・エンサメという19才のストライカーが出場機会を得ており、厚みを加えている。彼も出場すれば恵まれた体格を生かしたプレーでレギュラー陣と遜色ない存在感を見せている。

ギャンガンは攻撃陣が魅力。今季ここまで9ゴールとブレイクしているのはクレルモン、ブローニュでプレーしてきたマリ代表FWムスタファ・ヤタバレであるが、ディジョンから獲得したFWクリストフ・マンダンヌ、2部屈指のウイングであるファティ・アティクが脇を固め、かつての名選手アラン・ジレスの息子であるティボール・ジレスが繊細な左足からチャンスを作り出す。


ディジョン:基本フォーメーション

ボランチには巧みなドリブルを持つレジスタ、若干20才のジルベール・インブラや、若き日のパトリック・ヴィエラを思い出すダイナミックな攻撃参加を見せるムスタファ・ディアロが配置され、最終ラインにも攻撃力に長けているフランソワ・ベルグが起用されている。

今季序盤は失点の多さから苦しんだが、徐々に調子を上げ安定感を増し、10月に入ってからは無敗を続けている。前線のタレントが怪我なく最後まで働いてくれれば、昇格争いに絡んでいく事が可能となるだろう。






オセール:基本フォーメーション

昨季からの継続路線で強化されたイストル。監督も変更されず、守備をベースにしたバランス型の戦術で戦っている。大きな新戦力と思われたリュドヴィク・ジュネスは今一つスタメンに絡めていないが、昨季からチームに所属している選手の自力がようやく発揮されたと言うべきか。今年のトゥーロン国際大会で活躍したFWニコラ・ドゥ・プレヴィーユも成長を見せている。

ただし他のライバルと比べるとやや勝負弱い。頼っている選手が少ないため大崩れはしないものの、それほど爆発力もない。特に最近は調子を落としており、勝ち点を伸ばせていない。4位に留まる事が出来ているものの、イストルが昇格するためには他のチームが崩れる必要が出てくるだろう。



例年混戦になるリーグ・ドゥは、今季も中位が団子状態。8位に付けるランスはもちろん戦力が充実しており、昇格の可能性がある存在だが、この8位から15位までは勝ち点2の差しかない。14位に沈んでいるオセールもまだ可能性がなくなったとは言いがたい。

ダークホースの台頭が激しい今季のリーグ・ドゥ。戦力充実のモナコ、ナントが昇格する可能性はかなり高いと言えるが、対抗するチームも、今年はブレイクしているストライカーを抱えているクラブが多く爆発力がある。最後まで結果が読めない昇格争いに、少しでも注目して欲しい。(完)

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