Iraq
|
2
|
1-0
1-1 |
1
|
Japan
|
---|
アル・マーヤヒ アリ・アドナン・カディム |
33' 53' |
得点者
|
48' |
矢島 |
---|
開幕戦でイランに完敗したものの、その後2試合を何とか乗り切って決勝トーナメントに進んだ日本代表。しかし、来年のU-20ワールドカップ出場権を賭けた準々決勝でイラクに敗北、3大会連続でベスト8の壁を破れなかった。
イラクはこの試合に向けてメンバーこそ一人しか変わらなかったものの、選手の配置に変更を加えてきた。運動量が武器のファラジをボランチに移し、パサーのムサリをトップ下に。ドリブルに優れるアル・アサディとアル・マーヤヒが両サイドで起用された。
この形により、ロングフィードや激しいプレッシャーではなく、イラクはある程度ポゼッションすることで日本が下がるのを待ち、セカンドボールを拾うことによって守備を強化。相手を引かせた分難しくなる攻撃に関しては、UAE戦で見られたサイドの一対一の弱さを利用し、ウイングの仕掛けによって得点に繋げる、という狙いであった。
日本は試合開始から間もない時間にサイドを2度破られ、相手の狙い通りにピンチを迎える。その後少し持ち直した時間があったが、再び前半の中頃から押し込まれ、久保に3人マークが来てサポートは一枚もない事すらあるほど前線が孤立し、攻守共にバランスを失った。
そして33分に失点を喫してしまう。アル・アサディのドリブルで右サイドを崩されてペナルティエリアでパスを繋がれ、カラルのポストを許し、アル・マーヤヒのシュートでネットを揺らされた。
後半開始時には、先手を取って攻撃に人数をかけることでイラクを押し返し、前線の孤立を解消して同点に追いつくことに成功する。左サイドの高い位置でボールが動き、中央に詰めた矢島がダイレクトでシュート。威力はなかったが、ディフェンスに当たってゴール右隅に吸い込まれていった。
だがその状況も長くは続かず。追いついてからわずか数分でフリーキックからアリ・アドナン・カディムのヘディングを許して再び勝ち越され、プレスが連動しないために圧力をかけ続けることが出来ず、結局サイドバックの上がりは前半のように消極的になって行き、後半序盤に活躍した田邊が独りぼっちになった。
終盤には岩波を上げてパワープレーも仕掛けたが、チャンスよりもむしろ後方が薄くなったことによって起こったピンチの方が多い状態で、勝利できる可能性を感じることは出来ず。結局2-1のままで試合は終了し、日本はここで大会を去ることになった。
日本代表の戦いを総括すれば、何もかも上手くいかなかった大会であった。コンディション調整に失敗したかと思えるほど組織力のないプレッシング、前線の守備が抜けることで上げられない最終ラインと消極的になるサイドバック、それによって孤立する前線。さらに引いてもサイドが個人の力で破られて中が動かされ、守備が崩れる。
また、イラン戦では激しいプレスに負け、UAE戦では負けはしなかったもののサイドは突き崩され、イラクにはその全てを研究されて90分持つような形で対策された。逆に日本は、彼らに対して、きっちりとしたスカウティングをし、弱点を突く戦い方をしたのだろうか? UAE戦では多少感じられたが、大会を通して出来ていたとは言いがたいし、していないのならば傲慢であるとしか言いようがない。
【ゴールシーン】
【マッチハイライト】
(筆:Qoly編集部 K)
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ