今冬にクラブを離れる男たち?

日々様々な移籍説が飛び交う欧州サッカー界。その多くが眉唾ものであるが、そのネタに一喜一憂してしまうのがサッカーファンの悲しい性である。

今回は、『bleacher report』のコラムニストがまとめた、「今冬にプレミアリーグで起こりそうな11人の移籍」を用い、個別にその状況を見てみよう。

クラース・ヤン=フンテラール

シャルケとしては、絶対的エースのシーズン中の退団は是が非でも避けたいところだが、本人はプレミアリーグでのプレーに憧れを抱いていると言われ、今冬にそれが実現する可能性もゼロではないだろう。

なお、現時点では、移籍先候補として、「センターフォワードを探索中」と言われるリヴァプール、マリオ・バロテッリ放出を検討している模様のマンチェスター・シティ、セオ・ウォルコットの売却費での獲得が噂されるアーセナルが有力視されている。

ネイマール

世界に名立たるビッグクラブが獲得を望んでおり、プレミアリーグではマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーが彼に“惚の字”とのこと。

だが、クラブ、本人が共にサントスからの退団を否定しており、今冬の欧州上陸は幻に終わるはず。具体的な進行は、ネイマールが一つのボーダーラインとして掲げている「2014W杯終了後」か。ただ、いずれにせよ、最大のネックは8500万ポンドとも言われる違約金の捻出だ。

ナニ

一時は“事実上の構想外”となりつつも、最近は出場機会が増え、準主力として活躍中。そのため移籍の可能性は潰えたかにみえたが、まだまだ噂は消えそうにない。

先日には「スナイデルとのトレード説」が浮上し、その前には、ゼニトへの移籍話も盛り上がっていた。ここ数カ月の間に契約延長交渉に進展が見られない場合は、今冬での退団が確実視されているため、その動向は依然として注目度大だ。

マリオ・バロテッリ

マンチェスター・シティでの存在感が薄れつつあり、マンチーニも「彼は不幸せな状態にある」と認めるなど、移籍の可能性が上昇中。

「マンチーニとの不仲説」、「イタリアへのホームシック説」など、退団に向かっているかのような話が度々報じられ、先日には、「ユヴェントスが獲得に乗り出した」との話も。仮に先発出場が減少に向かえば、バロテッリが大人しくしているとは思われず、冬の移籍市場に向け、その退団説は勢いを増すだろう。

コロ・トゥレ

アーセナルから加入した当初は守備の要として目されていたが、ヴァンサン・コンパニとジョリオン・レスコットのコンビが評価を高めた今、彼の定位置はバックアッパー。

今夏には、将来性豊かなマティヤ・ナスタッチも加わり、その立場はますまる悪くなる一方で、今冬に移籍を決断したほうが本人のためか。

トッテナムGK陣

嬉しい悩みとも言えるが、トッテナムはプレミアリーグ最高クラスのGK陣の扱いに悩みを抱えている。

基本的には、衰え知らずの41歳、ブラッド・フリーデルがゴールマウスを任されているが、今夏の移籍市場ではフランス代表の守護神ウーゴ・ロリスを獲得。また、エウレーリョ・ゴメス、カルロ・クディチーニなど、代表クラスのゴールキーパーがその後ろに控えるなど、“無駄”とも言える選手層を持て余している状況だ。何かトラブルが起こらない限り、その序列変更も難しく、「今冬には必ず誰かがチームを離れる」と予想するサポーターも少なくない。

カカ

最近は、レアル・マドリーでの出場機会が増え、ブラジル代表にも招集されるなど、バイオリズムは上昇しているようにも思えるが、未だに「移籍するべき」と考えるサッカーファンは少なくないだろう。

噂に上がっているロシアのアンジ、トルコのガラタサライ、ブラジルのサントスなどへの移籍に、カカ本人が乗り気になるかは怪しいが、レアル・マドリーとの関係が残り数カ月で終焉を迎えてもおかしくはない。元チームメイトであるヌリ・シャヒンが発した「僕はカカの決断を知っている」との発言も含め、しばらくは、サッカー界が関心を抱く退団説の一つとなるだろう。

ダニエル・スターリッジ

アンドレ・ヴィラス=ボアスの下で急成長し、イングランド代表入りも果たすなど、昨季前半は飛ぶ鳥を落とす勢いを見せていたが、監督交代や4-2-3-1へのシステム変更に伴い、その勢いは消沈。

フォワードだけではなくミッドフィルダーとしてもプレー出来るが、ワントップにはフェルナンド・トーレスが陣取り、中盤にはフアン・マタ、エデン・アザール、ヴィクター・モーゼス、マーコ・マリンとライバルにこと欠かない状況。リヴァプールが獲得の意思を持っているようだが、果たしてその結末はいかに。

セオ・ウォルコット

彼の残留を願うグーナーが「自作ラップ」を作るなど、現在、イングランドで最も賑わしていると言っても過言ではない退団候補の一人。

難航していると言われるアーセナルとの契約延長の話について、本人は「大事なのはお金ではない」と語っているが、先発落ちだけではなく、明らかに彼よりもパフォーマンスでおとっているはずのオリヴィエ・ジルーにも出場機会を奪われるなど、彼の処遇にも改善の兆しはなし。イングランドだけではなく、ドイツからの関心も伝えられるなど、引く手数多の人気銘柄が下す決断ははたして。

フランク・ランパード

先週には彼の代理人がLAギャラクシーの観戦に訪れていたことが目撃されるなど、34歳の鉄人ミッドフィルダーのアメリカ行きは日に日に現実度を増してきている。

昨日行われたチャンピオンズリーグには先発出場を果たしものの、あくまでもターンオーバーの一環であり、かつてのような不動の地位は完全に瓦解している状況だ。今季で契約満了を迎えることもあり、遅くとも来夏にはチームを離れると見られている。

マルアヌ・フェライニ

エヴァートンで絶対的なポジションを築き上げ、プレミアリーグで猛威を振るってきたアフロマンだが、その蜜月は終焉を迎えつつある。

クラブとは長期契約を結んでいるが、「エヴァートンでの5年目のシーズンが始まったけど、おそらく、今季が最後のシーズンになるだろう。1月かシーズン終了後に別のクラブに移ると思う」と本人は口にしており、退団は濃厚。なお、これまで彼に苦しめられてきたマンチェスター・ユナイテッドが獲得を検討しているようだが、具体的に2500万ポンドというオファーを準備中にあると言われるチェルシー行きの可能性のほうが高いだろう。

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