医師の診断を尊重し、スパイクを脱ぐムアンバ

8月15日、ボルトン・ワンダラーズは「MFファブリス・ムアンバは、医師の薦めにより現役引退することを決断した」と発表した。

3月17日に行われたFAカップ、トッテナム・ホットスパーとの試合中に心臓発作を起こして昏倒し、生命の危機にさらされたファブリス・ムアンバ。78分間もの心停止を経て奇跡的に一命を取り留めた。

その後現役復帰に向けて可能性を探っていたものの、先週ベルギーでの診断を受けてピッチに戻ることは難しいと判断されたとムアンバは語った。

「退院して以来、僕はずっと再びボルトン・ワンダラーズの一員として戦える日を夢見て、気持ちを強く持って頑張ってきた。その回復具合を診断してもらうため、先週ベルギーの一流専門医の元を訪れたんだ。

でも、そこで受け取ったニュースは、僕が期待していたようなものではなかったよ。それは、僕が今日プロサッカーの世界から去らなければならないということを意味していたんだ。

僕の人生は10代の頃からサッカー一色だった。それは僕にとても多くのチャンスを与えてくれた。何より、試合をすることが好きだった。トップレベルでプレーできたことは、とても幸運なことだったと思う。

まあ散々な話ではあるけど、感謝したいことがたくさんあるよ。

まず、まだ生きていられることを神に感謝したい。そして、一度も諦めることのなかった医療チームに、再び敬意を表したい。自分のキャリアを支えてくれた皆さんにもお礼を言いたい。ボルトンのファンは素晴らしかった。

家族や友人にもサポートしてもらった。僕は本当に恵まれているね」

会長を務めているフィル・ガートサイドは、ムアンバの引退は残念だと話す。

「まず、ここにファブリスと私たちがともにいられることこそが驚くべきこと。全てのことに感謝しなければならない。

彼が現役に戻ることが出来ない事実を非常に残念に思っている。しかし、大切なのは医師の判断を尊重すること、そして何がファブリスの人生において最善かを考えること。

最も重要なのは、ファブリスと彼の家族がこれからも共に過ごせるということだ」

ボルトンの監督を務めているオーウェン・コイル氏も、何より大切なのは命があることだと話した。

「我々は彼を全面的にサポートし、常に彼とともにある。彼はキャリアを続けられなくなり、大きな失望を味わっている。しかし、皆知っているように、彼は強い身体と心を持つ戦士だ。彼はこの失望を乗り越え、他の偉大な何かを成し遂げるために動き出すことだろう。

最も重要なことは、彼が生きていること、そして今日ここにいられることだよ」

(筆:Qoly編集部 K)

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