ウェールズの首都をホームとするカーディフ・シティは今季、カーリングカップで決勝に進出するなど印象的なシーズンを送り、3年連続でプレミアリーグ昇格をかけたプレーオフにも進出。しかし、残念ながらリーグ3位のウェストハムに0-2、0-3で連敗し、昇格はまたもお預けとなった。
そのカーディフが6日、来季に向けた新ユニフォームを発表した。
2012-13モデルもサプライヤーはPumaで継続だが、昨季に比べて大きく変わった点が一つある。それはユニフォームの色。
カーディフを多少なりとも知っている方であれば、上の写真の右がホームモデルだと思うに違いない。なぜなら、カーディフのクラブカラーは青だから。
しかし実は、右側はアウェイ。左の赤いシャツこそが新しいホームモデルなのだ。
これが2011-12のホーム。完全に青です。
どうしてこんなことになったかというと、ヒントはユニフォームの胸にある。
2010年5月にカーディフを買収したマレーシア人実業家、チャン・チェン・ギー氏は豊富な資金を使ってチームを強化してきたが、なぜかチームはプレーオフ止まり。そして今季のプレーオフでウェストハムに惨敗したチームを目にした彼は、「ユニフォームの色が悪い」と判断。より情熱的で、ウェールズを象徴するカラーでもある赤への変更を決めたのだった。(マレーシアや東アジアで人気の色という点も考慮)
共同オーナーのヴィンセント・タン氏(左)とチャン・チェン・ギー会長。
もちろんファンは大反対したが、オーナーはクラブの債務返済やトレーニング施設の充実といった投資を盾に着々と準備を進め、今回お披露目されたのがこの新ユニフォーム、そして下の新エンブレムというわけである。
愛称でもある“青い鳥”から、“赤い龍”へと変わったエンブレム。一応鳥も残っているが・・・。
2004年にJリーグのヴィッセル神戸で起こったクラブカラー変更を思い起こさせる今回の出来事。1899年創設のカーディフは、100年以上に渡って青いユニフォームを使用しており、クラブの愛称もずばりブルーバーズ(Bluebirds)。アラン・ホワイトリーCEOは「長期的に見れば必ずクラブのためになる」と主張しているが、果たしてその言葉はサポーターの心に届くだろうか。