中盤の魅力度は大会屈指

欧州最高峰の司令塔であるルカ・モドリッチを旗頭に、正確無比のキックを操るダリオ・スルナ、新天地となったドルトムントでも勝負強さを発揮しているイヴァン・ペリシッチ、正確なパスワークとクレバーな守備を見せるトミスラフ・ドゥイモヴィッチで構成されるユニットの質は大会でも屈指のレベル。また、控え陣も「クロアチアのガットゥーゾ」ことオグニェン・ヴコイェヴィッチ、大会終了後の国外移籍も噂されるミラン・バデリ、豊富な代表キャリアを持つニコ・クラニチャール、全能型MFイヴァン・ラキティッチなど、錚々たる顔ぶれが並んでいる。全てが中盤の質で決まるわけではないが、確実に計算できるエリアを持っていることは大会を戦う上で大きなアドバンテージになるだろう。

また、「決勝トーナメント進出」の可能性を考えると、試合日程の巡り合わせも好材料。アイルランド、イタリア、スペインの順番で戦う流れだが、既にスペインがグループリーグ突破を確実なものにしている状況で第3戦に挑むケースも考えられ、その際にはクロアチアに追い風が吹くはず。大会前に星勘定をするのは愚かかもしれないが、「1勝2分」ないしは「2勝1分」という形は計算できるかもしれない。

課題は得点力

栄えある中盤を擁する一方で不安が残るのがFW陣。ここ数年の試合を見ると、2点差以上で勝利したことがあるのは中小国が相手だった時のみで、昨年にはトルコやチェコに完勝したこともあったが、これらはレアケースと考えるのが妥当だろう。

本来の実力を考えれば、イヴィツァ・オリッチが前線を牽引するはずだが、大会直前で行われたノルウェーとの親善試合で太ももを故障し離脱。そのため、マリオ・マンジュキッチに期待が集まるところだが、彼は純正の点取り屋ではないため、エドゥアルドやニキツァ・イェラヴィッチ、さらに、追加招集されたニコラ・カリニッチがいつも以上の力を発揮しない限り、ゴール前での迫力には物足りなさが残るだろう。

長所が賞賛を浴びるか、短所が明るみに出るか・・・。いずれにせよ、今回のクロアチア代表は中盤と前線に注目して見るのが面白いかもしれない。

なお、EURO2012クロアチア代表メンバー23名は以下の通り。

#名前所属クラブ生年月日身長/体重
GK
1 スティペ・プレティコサ
(Stipe Pletikosa)
ロストフ
(RUS)
1979/1/8 193/91
12 イヴァン・ケラヴァ
(Ivan Kelava)
ディナモ・ザグレブ 1988/2/20 195/90
23 ダニエル・スバシッチ
(Danijel Subaナ。iト蜀)
モナコ
(FRA)
1984/10/27 192/84
DF
2 イヴァン・ストリニッチ
(Ivan Striniト蜀)
ドニプロ
(UKR)
1987/7/17 186/77
3 ヨシップ・シムニッチ
(Josip ナꀀimuniト蜀)
ディナモ・ザグレブ 1978/2/18 195/89
4 ユリツァ・ブリャト
(Jurica Buljat)
マッカビ・ハイファ
(ISR)
1986/9/19 188/85
5 ヴェドラン・チョルルカ
(Vedran ト・rluka)
レヴァークーゼン
(GER)
1986/2/5 192/85
6 ダニエル・プラニッチ
(Danijel Pranjiト蜀)
バイエルン
(GER)
1981/12/2 170/68
13 ゴルダン・シルデンフェルト
(Gordon Schildenfeld)
アイントラハト・フランクフルト
(GER)
1985/3/18 192/91
15 シメ・ヴルサリコ
(ナꀀime Vrsaljko)
ディナモ・ザグレブ 1992/10/1 183/73
21 ドマゴイ・ヴィダ
(Domagoj Vida)
ディナモ・ザグレブ 1989/4/29 184/78
MF
7 イヴァン・ラキティッチ
(Ivan Rakitiト蜀)
セビージャ
(ESP)
1988/3/10 184/72
8 オグニェン・ヴコイェヴィッチ
(Ognjen Vukojeviト蜀)
ディナモ・キエフ
(UKR)
1983/12/20 184/83
10 ルカ・モドリッチ
(Luka Modriト蜀)
トッテナム
(ENG)
1985/9/9 172/65
11 ダリヨ・スルナ
(Darijo Srna)
シャフタール
(UKR)
1982/5/1 182/78
14 ミラン・バデリ
(Milan Badelj)
ディナモ・ザグレブ 1989/2/25 186/79
16 トミスラフ・ドゥイモヴィッチ
(Tomislav Dujmoviト蜀)
レアル・サラゴサ
(ESP)
1981/2/26 188/81
19 ニコ・クラニチャール
(Niko Kranjト溝r)
トッテナム
(ENG)
1984/8/13 185/80
20 イヴァン・ペリシッチ
(Ivan Periナ。iト蜀)
ドルトムント
(GER)
1989/2/2 180/74
FW
9 ニキツァ・イェラヴィッチ
(Nikica Jelaviト蜀)
エヴァートン
(ENG)
1985/8/27 187/84
17 マリオ・マンジュキッチ
(Mario Mandナセukiト蜀)
ヴォルフスブルク
(GER)
1986/5/21 186/76
18 ニコラ・カリニッチ
(Nikola Kaliniト蜀)
ドニプロ
(UKR)
1988/1/5 187/80
22 エドゥアルド
(Eduardo)
シャフタール
(UKR)
1983/2/2 177/73

フォーメーション


(筆:Qoly編集部 T)

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