1試合を残して2部優勝が決定、04/05シーズン以来の1部へ
5月6日、ポルトガルの2部に当たるリーガ・オランジーナ第29節が開催され、首位のエストリル・プライアがレイショエスに1-0で勝利を飾った。この結果、2位のモレイレンセとは5ポイントの差が付き、2部優勝と昇格が同時に決定した。
最近はややエストリルの戦い方が研究されており苦戦が続いており、先週末までの6試合で2勝2分2敗と足踏み状態にあった。この試合でもスムーズに戦えなかったが、オウンゴールで先制することに成功し、リードを守り切って優勝を勝ち取った。
昨季は10位と平凡な結果に終わっていたエストリル。今季に向けては半分程度のレギュラーが入れ替わり、いくつかの補強が大きな結果をもたらした。
その筆頭がトロフェンセから獲得した1988年生まれの攻撃的MFリカ。数年前にアカデミカで挫折を味わった選手だが、2部でレベルアップ。目立った点取り屋がいないチームの中で、「彼にボールを預けておけば何とかなる」と思わせるほどの存在感を見せ、チャンスメイクに得点にとフル稼働。サイドでプレーしながらも、チーム総得点の約3分の1となる12ゴールをあげた。
リカの存在によって負担が減った守備陣も飛躍した。ベレネンセスから獲得した大型レフトバックのチアゴ・ゴメスは、セットプレーにロングスローにと多くのチャンスを作り、多くのハイボールを弾いた。昨年はアヴェスで不完全燃焼に終わったゴンサロがシーズンを通してアンカーポジションを守った。
昨年から引き続いて最終ラインに配置されたステーヴン・ヴィトーリア、アンデルソン・ルイス、ラメイラォンの3名も、彼らに引っ張られるようにパフォーマンスを向上させた。その結果、ここまで29試合で18失点という堅い守備を実現させたのである。
難しい戦いが予想される来季のために大切なのは、リカをチームに残せるか、そしてちゃんとした点取り屋をチームに引き入れられるか、この二つに尽きるだろう。
2部ですらリカのマークが厳しくなった後半戦は苦戦した。彼を残せたところで、結局彼に頼りきりでは1部を戦い抜く力はない。負担を分散させてやることが至上命題となる。
(筆:Qoly編集部 K)
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