イタリアサッカー協会(AIC)の会長、ダミアーノ・トンマージは昨日発生したジェノアのウルトラスの暴動に怒りをあらわにした。
昨日行われたセリエA第34節 ジェノア対シエナの一戦でジェノアのウルトラスによる暴動が発生。試合は中断し、ジェノアイレブンからユニフォームを強奪するという騒ぎに発展していた。
12試合連続で白星がなく降格の危機に瀕しているジェノア。ウルトラスたちの我慢が限界に達したのは後半開始直後だった。前半だけで3失点を喫し、後半49分に4点目を奪われると暴動が発生。発煙筒や爆竹が投げ入れられ、試合は主審の判断で中断となった。
ウルトラスとの対話に望んだのはキャプテンのマルコ・ロッシ。ウルトラスは「選手たちはグリフォーネ(ジェノアの愛称)に相応しくない」とし、ユニフォームを要求した。ロッシは要求を呑みユニフォームを回収したが、ジュゼッペ・スクッリは拒否。その後、説得を続けた結果、ユニフォームは選手の元へと戻された。(騒動後、再開された試合は4-1でシエナが勝利)
この件についてAICのダミアーノ・トンマージ会長は、「ウルトラスは自分たちはカルチョの支配者だと考えている」とし、ウルトラスの行為を非難している。
「発煙筒や爆竹を問題としているんじゃないが、ユニフォームの強奪は受け入れられない。たぶん彼らは昨年オマール・ミラネット(元ジェノアMF)をクラブから追い出した連中と同じだろう」
「選手が追い出されているのに、なぜスタジアムにウルトラスが残っているのか教えてくれ。絶対間違っている。ジャッジはしないが、教えてくれ」
「治安の問題だと誰かが言うだろうけど、セルビアのフーリガンがマラッシで暴れた時も同じ事を言っていたよ」
セルビアのフーリガンがマラッシで暴れたケースとは、EURO2010の予選イタリア対セルビア戦でセルビアサポーターが暴動を起こし試合が中止となった事件である。セルビアサポーターが暴動を起こしたのは意図的なモノであったと言われているが、トンマージはイタリアが「被害者」となったケースと照らしあわせる形で自国のサポーターに品性を求めているのではないだろうか。
【予備】
(筆:Qoly編集部 N)