2部リーグ所属の選手が半数という異例の選考になったのだが…
4月12日、UAEサッカー協会は火曜日に行われるイランとの親善試合に向けたメンバーを発表。24人のうちアマチュアリーグに所属している選手が12名含まれるという異例の事態となった。
原因は4月17日にアル・ジャジーラ、アル・ナスル、バニ・ヤスの3チームがACLに参加するほか、ガルフクラプチャンピオンズリーグにアル・ワスル、アル・ワフダ、アル・ジャフラが出場するため。実質ほとんどの主力選手を招集することが不可能だった。
しかし監督を務めるアブドゥラ・ミスフィルは「これは将来のためになる選択」と話した。
「プロアマ関係なく全ての選手に扉が開かれている。アマチュアリーグから選んだ有能な選手たちがチームに強さを加え、主力選手の不在を補ってくれると信じている。私はアマチュアリーグの試合もよく見ているからね。
外国人監督は若い選手たちを起用することにはとても慎重だ。ギャンブルして失敗すれば、評価に関わるからね。そんな状況では、選手たちは代表でプレーするチャンスすらない。
しかし私はUAE人だ。将来的にチームを助ける可能性があるのであれば、どんなギャンブルにも挑戦する覚悟があるのさ」
ところが、メンバー発表からわずか数時間で“イランとの親善試合は中止された”というアナウンスが流れた。
ハリジ・タイムスによれば、両国の間で領土問題となっているペルシャ湾に浮かぶアブ・ムサ島に、イランのアフマディネジャド大統領が訪問した事に対しての抗議として、UAEサッカー協会がボイコットを決断したという。
貴重な機会に才能を発掘しようとしていたアブドゥラ・ミスフィル代表監督の目論見は、政治問題によって脆くも潰されてしまった。
(筆:Qoly編集部 K)