アクシデントに立ち向かうユトレヒトのミハイ・ネシュ
2011年5月、ユトレヒトの元ルーマニア代表左サイドバック、ミハイ・ネシュは練習試合での事故により脊椎骨を骨折。 意識を失い、呼吸困難に陥ったネシュは5時間に及ぶ緊急手術を受け、5日後にようやく目を覚ましたが、四肢に麻痺が残っており、いまだ復帰の目途は立っていない状態にある。
200日近くを病院で過ごした後、自宅に戻った彼は今年2月に29歳を迎え、その頃から右手を動かせるようになったという。そして、事故からおよそ9か月が経った先頃、地元テレビ局のインタビューに応じた。
(事故の瞬間の記憶はなく)「手術から目覚めた時、事態は深刻だと覚りました。最近、右手を動かせるようになったんです。今後3,4か月でもう一方の手も動かせるようにしたいです」
「(事故を)乗り越えなくてはなりません。再起するために自分の置かれている状況についてより真剣に考えるようになりました」
「失ってしまったものはどうこう言うことはできません。でも、体を動かせないのはつらいです。自力というものを失ってしまったんです」
多くの激励のメッセージを贈られたネシュの目には涙が浮かんだ。懸命にリハビリに取り組むネシュには2008年まで在籍していた古巣ステアウア・ブカレストのサポーターからも励ましのエールが贈られている。 今年2月、ステアウア・ブカレストのホーム、ナショナル・アレーナで行われたUEFA ヨーロッパリーグ・トゥエンテ戦で励ましのチャントとともにスタンドに“NEナ朸”の文字が登場。
古巣サポーターからの厚意について「泣きそうになってしまうので、あのシーンを見返すことはできないんです」と語ったネシュはオランダの自宅で将来について思案しているが、今後どうなるのかについては彼自身も見当はついていない。
(筆:Qoly編集部 I)