ゴール後の歓喜、その刹那・・・
今シーズン、マンチェスター・シティからフェイエノールトにレンタル加入した19歳のスウェーデン人FWヨン・グイデッティはその圧倒的な得点力でエースの座を瞬く間に掴み取った。
恵まれた体格を活かし、相手をなぎ倒して強引にゴールを陥れるパワフルなプレースタイルで15試合で17ゴールと得点を量産。 いまやその存在感はフェイエ=“チーム・グイデッティ”と呼べるほど絶大なものとなっている。さらに、ここまで3試合連続ホームハットトリック中という離れ業を成し遂げており、昨日のRKC戦で更なる記録更新に挑んだのだが・・・。
PKを決めて歓喜するグイデッティに無常にも提示された2枚目のイエローカード。この日のフェイエは中盤の要であるヨルディ・クラシーを欠いており、強い降雨とRKCのしっかりとした守備の前に攻めあぐねる展開が続いていた。そんななか後半32分にようやく奪った先制点だったため、一層感情を抑えられなかったのだろうが、大エースを失ったチームは急失速。チームの窮状にサポーターも声を失うと、終了3分前にRKCのブラバーに痛恨の同点弾を浴び、結局試合はドローに終わった。
試合後、グイデッティは
「最悪の気分だよ。チーム、ファン、全ての人を失望させてしまった。俺がどれだけチームとクラブに忠誠を誓っているかは皆分かってると思う。得点後、誤った形で感情が溢れてしまった。ひどいことだったと思う」
と自らの振る舞いを軽率だったと謝罪した。指揮官クーマンも数的不利に陥らなければ勝てていたはずであのレッドカードが全てだったと語ったものの、本人が一番自覚しているだろうから数日間はそっとしてやりたいと述べた。
クーマンだけでなくキャプテンのフラールも失望の色を隠せなかったのは次節PSVとのトッパーに絶対的な得点源が出場できないことを嘆く気持ちもあってのことだろう。 早くも来シーズンの所属先やEURO2012に臨むスウェーデン代表への抜擢などが取りざたされる若きストライカーの存在の大きさが図らずも証明される形となった。
【マッチハイライト】
ちなみに、胸のタトゥーは『世界を変えられるって信じてるようなヤツはクレイジー。でも、世界を変えられるのもそいつだけ』的な文言だそう。