今回はイングランド期待の若手であるフィル・ジョーンズについてのコラムを書いていきたいと思う。
今夏にブラックバーンから移籍したマンチェスター・ユナイテッド(以下マンU)ではセンターバック、右サイドバック、センターハーフのポジションで見事なパフォーマンスを披露し、イングランド代表ではセンターハーフとしてプレーするこの19歳はジャック・ウィルシャー(アーセナル)、ジョーダン・ヘンダーソン(リヴァプール)、ジャック・ロドウェル(エヴァートン)らと並んで、イングランドで最も期待されている若手の一人である。個人的には数年後に世界を代表するプレーヤーに成長すると思っているが、そんなジョーンズの魅力とは何なのか。ここからは筆者の思う「フィル・ジョーンズの魅力」と「フィル・ジョーンズの今後」について述べていきたい。
・「フィル・ジョーンズの魅力」
筆者が考えるフィル・ジョーンズの最大の魅力は「ダイナミックさ」である。相手アタッカーに対するタイトなマーク、球際での激しさ、そして時折見せる迫力満点のドリブルによる攻撃参加。これら全てのプレーがダイナミックであり、観る者の心を捉えるものである。センターバック、右サイドバック、センターハーフのどのポジションでも素晴らしいプレーを見せているジョーンズであるが、中でもセンターハーフで起用された時のジョーンズは持ち前の推進力を活かしたプレーで中盤を引き締めている。中盤センターでプレーしたプレミアリーグ第14節アストン・ビラ戦では、再三中盤から攻め上がり、前半20分には左サイドのナニからのクロスに飛び込んで先制点をマーク。フォワード顔負けの見事なダイレクトボレーを決めたジョーンズにとってこのゴールはキャリア初のゴールとなった。
また、「パーソナリティーの強さ」もジョーンズの魅力であり、長所だろう。ジョーンズが所属するマンUは世界でも有数のビッグクラブとして名高い。当然、想像を絶するプレッシャーが選手たちには掛かっていると思うが、ジョーンズの堂々としたプレーぶりを見る限り、 そのようなプレッシャーとは無縁であることが分かる。また、やはり10代の選手は見た目もどこか幼く、周りに遠慮しながらプレーしがちであるが、ジョーンズには良い意味での「ふてぶてしさ」が備わっており、とても10代の選手には見えない。偉大な名選手というものは共通して「強いパーソナリティー」を生まれながらにして持っているものであり、プレーのみならずこの点からもジョーンズは近い将来、超一流の選手たちの仲間入りを果たすことが出来るはずだ。
(権利元の都合により埋め込みコードの掲載を取りやめました)・「フィル・ジョーンズの今後」
マンU、イングランド代表の両方で今後の成長が期待されているジョーンズであるが、今後はどのような選手へと成長していくのだろうか。
クラブでは故障者が続出したことを受けて3つのポジション(センターバック、右サイドバック、センターハーフ)を難なくこなしているが、本来のポジションはセンターバックであり、現在の主力であるリオ・ファーディナンド、ネマニャ・ヴィディッチがともに30代であることから、同僚のジョニー・エバンス、クリス・スモーリングらと同様にファーディナンド、ヴィディッチの後継者として育てられることになるだろう。
しかし、センターハーフとしても光るものを持っているジョーンズだけに、センターバックだけで起用するのはいささか勿体無い気もしてしまう。ジョーンズの存在は長らく良質なアンカー不在が叫ばれてきたイングランド代表、中盤センターが積年の課題となっているマンUの両方で救世主的な存在であるといっても過言ではない。今後どちらのポジションでジョーンズを起用していくのか。名将アレックス・ファーガソンの采配にも注目が集まることは間違いない。
2012.2.7 ロッシ
※選手表記、チーム表記はQoly.jpのデータベースに準拠しています。
筆者名 | ロッシ |
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