2012年ネイションズカップの開幕戦は、開催国の一つ赤道ギニアが登場。新たな国旗と国歌を掲げて初の大会に臨む新生リビアを相手に終盤の得点で勝ち越し、初戦を飾った。
4バックといえば4バック、3バックといえば3バックという左右非対称のシステムで望んだ赤道ギニア。リビアにある程度攻めさせてスペースを作らせ、カウンターを狙った。攻撃時はボールを持てる前線の3人が収めて誰かが飛び出す、あるいは彼らを囮にしてサイドに出来たスペースをイヤンガが突くというパターンが大半であった。
リビアよりも効率的にチャンスを作り出していったものの、決定力に苦しみゴールをなかなかこじ開けられない時間が続いた。ようやく均衡を破ることが出来たのは87分。素早くリスタートを行ったことで生まれた相手の隙を狙い、途中出場のエケドがバイタルエリアに下がってボールを引き出し、スルーパス。それにバルボアが反応して裏に抜け出し、シュートを決めた。
終盤には二度の大きなピンチを迎えたが、ジャマルの強烈なミドルシュートはダニーロが見事なセーブで弾き、カミッソコがペナルティエリア内で相手選手と接触した場面はシミュレーションの判定に助けられた。そのおかげで1点のリードを守りきることに成功し、地元で貴重な勝利を獲得した。
リビアは最終ラインの位置を高くし、ボールを保持してサード、エル・ハトルシのテクニックでチャンスを生み出していく積極的なサッカーを見せたが、攻めた割にはチャンスは多くはなかった。点取り屋であろうズワイは高さがあるタイプで、ショートパスから崩すシステムにやや馴染んでおらず、ゴール前での強みに欠けた。またゴールキーパーのアブドも多くのミスを犯しており、守備も不安定なところがある。このレベルの大会では、中盤のテクニシャンのプレーをどう得点に繋げるかが問題となりそうだ。
(筆:Qoly編集部 K)