「この選手がまさかここまでの活躍を見せるとは・・・」

サッカー界で行われる移籍のうちの大半は結果的には「まずまず」か「外れ」で終わることが多いが、その中で時折生まれるのが「大成功パターン」だ。

『blecher report』などに寄稿するコラムニスト、トーマス・アッツェンホッファーが、「クラブが費やした補強費以上の働きを見せた、良い意味で期待を裏切った15の移籍例」を取り上げていたので、前編と後編に分けて紹介しよう。

ロベルト・バッジョ(ミラン→ボローニャ)

1995年から2シーズン過ごしたミランでは51試合に12得点。怪我、戦術的な問題、起用面での不遇など数々の障壁があったとは言え、当時「ロベルト・バッジョは過去の選手だ」と言われることも多かった。しかし、ボローニャに150万ポンドで加入すると、否定的な声を一掃する活躍を披露。セリエAで22得点を記録し、シーズン終了後にはW杯にも参加した。

アラン・シアラー(サウサンプトン→ブラックバーン)

言わずと知れたニューカッスルのレジェンドだが、彼のサクセスストーリーは1992年に行われたサウサンプトンからブラックバーンの移籍で始まった。360万ポンドでケニー・ダルグリッシュが指揮を執るローヴァーズの一員になると、通算138試合に出場して112得点という驚異的な記録を樹立。1995年にはクラブをプレミアリーグ王者に押し上げた。

ティエリ・アンリ(ユヴェントス→アーセナル)

今冬の電撃復帰でグーナーたちを喜ばしたティエリ・アンリ。彼はアーセナルへの愛をことあるごとに繰り返すが、彼が世界的なFWへと進化できたのもガナーズがその才能に着目したからだ。1999年に1050万ポンドでユヴェントスから加入すると、アルセーヌ・ヴェンゲルのアドバイスにより、ウィングからフォワードへコンバート。この思い切った転換が大成功となり、254試合で174得点という、プレミアリーグ歴代2位の通算得点を叩き出す世界的なゴールスコアラーへ大変身を遂げた。

ヨハン・クライフ(アヤックス→バルセロナ)

サッカー史上に残る伝説的なプレーヤーはバルセロナに100万ポンドという世界最高額を使わせたが、後のクラブの成功を考えれば、その額以上に見合ったパフォーマンスを発揮したと言えるだろう。移籍初年度から常人離れしたプレーを魅せ、1974年にはバルセロナにとっては14年ぶりとなる国内リーグタイトル制覇に大きく貢献。バロンドールやドンバロン賞など個人タイトルも獲得した。

ディクシー・ディーン(トランメア・ローヴァーズ→エヴァートン)

伝統あるイングランドフットボール史において、1シーズン60ゴールを記録した最初で最後のプレーヤー。エヴァートンが彼を獲得するために注ぎ込んだ3000ポンドは当時の水準では決して安い額ではなかったが、1925-37シーズンの間に349得点をマークしたことを考えれば、「大当たり」だっと言えるだろう。

エリック・カントナ(リーズ・ユナイテッド→マンチェスター・ユナイテッド)

言わずと知れた90年代のサッカーシーンを代表するタレントであり、マンチェスター・ユナイテッドのクラブ史上に残るビッグネーム。1992年冬に加入したリーズで観衆の度肝を抜くプレーを連発させると、アレックス・ファーガソンは同年秋に120万ポンドを投じてライバルクラブから奪取。ピッチ外でも話題をさらう問題児であったが、144試合で64得点を記録した背番号7は紛れもない天才であった。

イアン・ラッシュ(チェスター・シティ→リヴァプール)

この男の入団は、おそらく、リヴァプール史上“最も当った移籍”と言っても過言ではないだろう。少年時代はエヴァトニアンであったが、1980年に30万ポンドというチェスター史上最高額の移籍金を残してリヴァプールに入団すると、その後、(1987-88シーズンはユヴェントスでプレーしたが)1995-96シーズンまで所属。658試合で346得点という膨大なゴールを記録し、リーグ優勝、FAカップ制覇、ヨーロッパ王者など、あらゆるタイトルを掴んだリヴァプールの黄金時代を牽引した。

アルフレッド・ディ・ステファノ(バルセロナ→レアル・マドリー)

憎い好敵手であるバルセロナからの強奪に成功したという意味でも、ディ・ステファノの移籍はレアル・マドリー史上に残る移籍の一つだ。現在の価値に換算しても3万ポンドほどという激安価格で迎え入れられた“黄金の矢”は、フェレンツ・プシュカシュら伝説的なプレーヤーと共に、4年連続を含む8度の国内リーグ制覇、5年連続欧州王者など、タイトルを総なめにした“エル・ブランコ”の黄金期を樹立。レアル・マドリーというクラブを世界的なクラブへと押し上げた。

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