早いもので2011~2012シーズンもウィンター・ブレイクを迎えシーズンの折り返し地点に来ております。今回はシーズン開幕直後に英国のサッカーサイト『Caughtoffside.com』内で紹介された25人の期待の若手(ティーンエイジャー)のシーズン前半戦の成績と活躍、簡単な選手紹介を行いたいと思います。(※成績は12/28現在、リーグ戦のみ。( )内の数字は先発出場数)。
25. マッティア・ペリン
国籍:イタリア
生年月日:1992/11/10 (19歳)
所属チーム:パドヴァ(イタリア)
出場試合数/時間:12/1080分
得点/アシスト:0/0
優秀なGKを数多く輩出してきた「GK大国」のイタリアにおいて、ペリンは将来を嘱望されている有望株の一人。188cm、74kgと一見すると線の細さが目立つのだが、それを補って余りある抜群の身体能力と瞬発力でゴールマウスを守る。まだまだ技術的な完成度が低く安定感に欠けるプレーも散見され、読みの鋭さや勘に頼ったスーパーセーブはあるものの将来のイタリア代表の守護神に相応しい高い身体能力とポテンシャルを秘めている。当面の目標はセリエBのパドヴァにおいて確固たる地位を確立し、守護神としてチームの昇格に向け貢献するのみである。
24. ジョエル・キャンベル
国籍:コスタリカ
生年月日:1992/6/26 (19歳)
所属チーム:ロリアン(フランス)
出場試合数/時間:13(6)/606分
得点/アシスト:1/1
コスタリカの首都サン・ホセ出身のストライカー。今シーズン開幕前にコスタリカのデポルティボ・サプリサからアーセナルに加入し、その後、経験を積むためにフランスのロリアンに武者修行へ。しかし、ロリアンでは一定の出場機会を得て準レギュラー級の選手に成長はしているものの、ゴールはここまでわずかに1ゴールと寂しい結果となっている。左足から繰り出される多彩なパスやシュート、ウィンガーとしても十分通用する縦へのドリブル突破はポテンシャルの高さをうかがわせるが、シーズン後半戦はストライカーとしてゴールの数をどこまで伸ばせるかが今後のステップアップに繋がるか。
23. ジョン・フラナガン
国籍:イングランド
生年月日:1993/1/1 (19歳)
所属チーム:リヴァプール(イングランド)
出場試合数/時間:1(1)/90分
得点/アシスト:0/0
ウルグアイ代表のコアテスやアカデミー出身のケリー、ロビンソンらとともに将来のリヴァプールで強固なディフェンスラインを形成すると言われる期待のSB。1対1の絶対的な強さには目を見張るものがあり、対人守備の能力に関して言えばアカデミーの先輩で同じ右SBのポジションを争うケリーよりも優れたものを持っている。また、積極的なオーバーラップで仕掛けの役割を担うこともでき決して守備専業のSBではないのもフラナガンの特徴である。しかし、クロスの質やカバーリングへの対応にはまだまだ改善の余地があり、今後さらなる出場機会を得て一皮むけることができるかが飛躍の鍵となる。
22. サニ・エマニュエル
国籍:ナイジェリア
生年月日:1992/12/13 (19歳)
所属チーム:ラツィオ(イタリア)
出場試合数/時間:0/0分
得点/アシスト:0/0
U-17 ワールドカップ2009年大会でナイジェリアを準優勝に導いたストライカー。この大会でサニは5ゴールを奪い大会の得点王とMVPのダブル受賞を果たしている。大会終了後にはプレミア・リーグのチェルシーやトッテナム、ギリシャの強豪パナシナイコスが獲得に動いたものの移籍は実現せず、2011年の3月にイタリアのラツィオと契約。身長170cmと小柄なFWだが、抜群のフィジカルで相手DFに決して当たり負けしない強さを持っており、オープンスペースへの飛び出し、相手DFを振り切る抜群の加速力は同じナイジェリアのストライカーであるマルティンスを彷彿とさせる。しかし、所属するラツィオでは全く出場機会を得られておらず、今後の成長のためにもより多くの出場機会を得られるチームへの移籍を検討すべきか。
21. オリオル・ロメウ
国籍:スペイン
生年月日:1991/9/24 (20歳)
所属チーム:チェルシー(イングランド)
出場試合数/時間:8(4)/388分
得点/アシスト:0/0
夏にチェルシーがバルセロナのカンテラから獲得したアンカータイプのMF。バルセロナではトップチームでの経験がほぼゼロだったが、中盤のアンカーとして必要とされる正確なパスによる展開力や対人守備の強さを高く評価したヴィラス・ボアス監督が獲得に強くこだわった選手で、6億円という決して安くはない移籍金からもロメウへの高い評価がうかがえる。マイケル・エッシェンがシーズン開幕前に負傷離脱したこともあり、ここまでは一定の出場機会を得ているが、今後シーズンが進むにつれてチェルシーの重要な戦力となるはずだ。
20. スレイマヌ・クリバリ
国籍:コートジボワール
生年月日:1994/12/26 (17歳)
所属チーム:トッテナム(イングランド)
出場試合数/時間:0/0分
得点/アシスト:0/0
メキシコで開催された2011年 U-17 ワールドカップにおいて、4試合で9ゴールを叩き出したコートジボワールのストライカー。172cmとFWとしては小柄ではあるが、強靭な足腰によりボディーバランスは非常に安定している。スプリントにも絶対的な強さを見せ、圧巻のスピードでディフェンダーを置き去りにし瞬く間にゴールを奪う。大会終了後にはイングランドのトッテナムに引き抜かれ、現在はトップチームへの昇格を目指しユースチームで練習に励む。
19. ジョシュ・マッケクラン
国籍:イングランド
生年月日:1993/3/1 (18歳)
所属チーム:チェルシー(イングランド)
出場試合数/時間:1(0)/8分
得点/アシスト:0/0
チェルシーの次代の司令塔として期待される18歳のMF。左足から繰り出される正確なパス、繊細なボールタッチ、抜群の視野の広さと現代サッカーのプレーメーカーに必要とされる要素をすべて備えている。しかし以前から指摘されている線の細さと当たりの弱さがネックとなり、ポゼッション重視のパスサッカーを志向するヴィラス・ボアス新監督となった今シーズンも十分なプレー時間を得られていない。課題とされるフィジカルの強化が今後の飛躍には絶対条件となる。
18. フレデリク・セーレンセン
国籍:デンマーク
生年月日:1992/4/14 (19歳)
所属チーム:ユヴェントス(イタリア)
出場試合数/時間:0/0分
得点/アシスト:0/0
デンマークの2部リーグのチームから、イタリアのユベントスに引き抜かれて2年目となる今シーズンはリーグ戦で出場機会を得られず、カップ戦の出場もわずか1試合と完全に戦力外となっている。大きなインパクトを残した昨シーズンはスピードやアジリティーの不足を指摘されながらも、的確な状況判断力を活かしたミスの少ないプレーが光った。CBあるいは守備専業のSBとして守備的なポジションを幅広くプレーできるだけに指揮官の信頼を得て出場機会を増やすことが当面の目標である。
筆者名 | Toru Kumon |
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