元ポルトガル代表キーパー、フェリックスの息子として生まれたジョセ・モウリーニョ。その息子ZucaもまたCDカニージャスでキーパーとしてプレーしている。
Zucaの通うカニージャスはマドリッドにあるサッカースクールで約700人の子供たちが在籍、かつてはジダンやロナウドの息子たちもプレーしていたこともある。
そんなある日、Zucaはチームメイトの母親がクラブの事務所で泣いているのを目にする。
このチームメイトの家庭は生活が苦しく、子供にサッカーを続けさせられないのではないかと母親は思い悩んでいたそうだ。それからすぐのこと、クラブに口座番号を尋ねる一本の電話がかかってきた。
電話の主はハビエル・ガルシアという人物で彼はレアル・マドリーの関係者だった。事の真相はこの一件を知ったモウリーニョがポケットマネーから生徒10人分(他にも支払いに苦しんでいた生徒分も含め?)の年間受講料を肩代わりすると申し出たのだ。モウリーニョは去年と今年2年に渡って支払いを続けているという。
ちなみに、カニージャスの年間受講料はユニフォーム込みで700~900ユーロ(7~9万円)ほどだそう。
カニージャスの会長ホセ・マヌエル・アルバレスは「モウは今回のような行いを他人に気付かれないようにしています。だた、私達は彼のこのような一面についても知ってほしいんです」と語る。
スポーツディレクターのラファ・カノもモウリーニョの気さくな一面を明かした。「ちょうど昨日、モウはZucaの練習試合でボールボーイをやってくれた。そこでは他の父親と変わらないひとりの父親だったよ」。
一方、モウリーニョの善意に救われた母親のひとりであるピラール・パストルは「彼はよく息子(Zuca)の練習や試合を見に来るんです。でも、彼がやってくると子供も親もサインを貰おうと大騒ぎになってしまうので、気付かれないようなるべく離れた位置から見守っています」と息子を気遣いながら練習を見つめるマドリー指揮官の様子について語った。