2011年7月4日(月) - エスタディオ・モレロス(モレリア)
Germany
3
2-0
1-2
2
England
イェジル
アイハン
イェジル
7'
24'
53'
得点者
67'
83'

マグリ(PK)
ホープ



欧州勢同士の試合はドイツが制し、ベスト4へと進出した。全ての試合で2得点以上をあげ、開幕から5連勝。圧倒的な強さを見せているといえる。しかし、この試合の内容は決して褒められるものではなかった。

大会初期に見られたような前線からの精力的なプレスはなく、攻撃でも各個人のインスピレーションにズレが目立ち、運動量も乏しかった。受け身であったから守備が安定しているかといえばそうとも言えず、個人技には対応できていたが、単純なミスが頻繁に見られる状態にあった。

ある程度は戦術的な狙いがあったと思われる。イングランドは最終ラインにミスが多く、それを利用するために攻めさせて中盤を引きはがし、ブロックを作らせず少人数対少人数の戦いに持ち込もうという考え方だろう。しかし守りが安定しておらず、決して受け止められていたとは言いがたい。

しかし、冴えない内容の中でも得点を奪える攻撃力の高さがあった。試合開始からわずか7分、中盤でのボール奪取からヴェイザーが素早く裏にボールを送ると、イエジルが飛び出してシュート。キーパーに弾かれたところを自ら押し込んで先制点を奪取する。

さらに24分、セットプレーから追加点を奪う。アイシチェクの右コーナーキックが一旦クリアされ、こぼれたところをドゥクシュがミドルシュート。ゴール前に詰めていたアイハンが伸ばした足に当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。

後半に入ってもドイツはチャンスを逃さなかった。53分、アイハンのスルーパスで右サイドをヴェイザーが飛び出し、ドリブルでセンターバックを引きつけて折り返し。フリーで中央に詰めていたイェジルがゴールに決め、ピリッとしない中でも3点の差を付けた。

イングランドにとっては守備の雑さが命取りとなった試合である。前半はヘンシャルがあまり機能せず個人技に偏ってしまったが、後半はパウエル、ダン、レッドモンドと途中出場の選手が活躍。ドイツの受け身の姿勢を利用して激しく攻撃を仕掛け、押し込む場面も多く作り出した。

65分には裏に飛び出したパウエルがペレーに引き倒されてPKを獲得、マグリが決めて1点を返す。83分には右サイドを仕掛けたレッドモンドが、一旦奪われながらもドゥクシュの軽率なヒールパスをカットして折り返し、ホープがゴールに叩き込む。

1点差に詰め寄ってさらに攻撃を仕掛けたが、残り時間が少なく一歩及ばず。イングランドは今大会初めてそれなりの攻撃が出来た試合となったが、単純なハイボールへの対処や裏のケアなどで守備にミスが多く3失点。昨日の日本と同じく、これだけ失点をしてしまうといくら攻撃が良くてもなかなか勝つことは出来ないものだ。


(筆:Qoly編集部 K)

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