アルベルト・アクイラーニは来季どこでプレーするのだろうか。シーズン中の活躍はユヴェントスへの完全移籍が決定的と見られていたが、アンドレア・ピルロの加入が決まった事によってミランやインテルへの移籍、そしてそしてリヴァプール残留という話が浮上するなど非常に曖昧になりつつある。

2009年にイングランドへ渡ったアクイラーニだが、怪我で出遅れた事もありプレミアリーグにフィットする事ができず、母国帰還を決断。2010-2011シーズンはユヴェントスへ買い取りオプション付きのレンタル移籍を果たしていた。ユヴェントスに加わると調子を取り戻して中盤レギュラーを奪取し、イタリア代表にも復帰した。シーズン中の活躍によって完全移籍が濃厚と見られていたが、ピルロの加入が決まった事で移籍交渉は停滞。買い取りオプションの期限も過ぎてしまった。代理人もミランの名前をちらつかせながらアクイラーニの移籍先を探しているが、リヴァプールの望む移籍金を支払うクラブが出てきていないのが現状だろう。

ユヴェントスはピルロに引き続きウディネーゼのギョクハン・インレルの獲得を狙っている。インレルは今季のセリエAで最も輝きを放った選手の1人であり、ナポリへの移籍が濃厚といわれていた。しかしユヴェントスが積極的なアプローチで獲得に迫っている選手である。また、ナポリのミケーレ・パツィエンツァの移籍が濃厚な事も含めて中盤のセンターは人材過多の傾向にあり、アントニオ・コンテ新監督はアクイラーニの獲得に消極的になっていると伝えられている。

ピルロを失ったミランにとってアクイラーニは理想的な後釜かもしれない。ピルロが拒絶した左MFでのプレーが可能であり、ピルロ以上とは断言しづらいが、同等のクオリティをキープできる可能性を秘めているからだ。しかし、ミランはピルロ級の選手へ投資したいと考えており、マーケット開放直後の現在はセスク・ファブレガスやマレク・ハムシークなどヨーロッパ中で狙われている選手の名前が関連づけられている。アクイラーニは彼らのレベルに近づく可能性を秘めている選手ではあるが、怪我の多さやパフォーマンスのムラを考えると現状は同じレベルにない。

インテルという可能性はアクイラーニにとって悪くない選択肢だ。ウェズリー・スナイデル、デヤン・スタンコヴィッチ、チアゴ・モッタの代役としてプレーする事が可能であり、攻撃的な采配が特徴的なレオナルド監督の元でエレガントなMFは更なる輝きを放つ可能性を秘めているだろう。しかし、モラッティ会長はテベスやセスクなどのワールドクラスに執心しており、アクイラーニを獲得するとすれば、テクニカルディレクターのマルコ・ブランカ主導による移籍になるだろう。

リヴァプールに戻るという可能性が「現状では大きい」といわざるを得ない。アクイラーニに興味を示しているイタリアのクラブは、彼の獲得に対して高額な移籍金を支払うつもりがなく移籍金が引き下げるのを待っているのが現状だからだ。

(筆:Qoly編集部 N)

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