2011年2月21日 - ジョゼ・アルヴァラーデ(リスボン)
Sporting CP
0
0-1
0-1
2
Benfica




得点者
15'
63'
サルビオ
ガイタン


スポルティングのホームであるジョゼ・アルヴァラーデで行われたリスボン・ダービーは、アウェイチームのベンフィカが完封勝利を収める結果となった。

ベンフィカは試合開始直後から試合を支配。強みであるサイドでの素早いトライアングル形成、滑らかなスペースの相互利用で、タッチライン際のエリアを何度も抉った。そして15分、フリーになったガイタンのクロスを、ペドロ・メンデスがクリアできずファーに流れていったところを、サルビオが詰めてシュート。ゴールに決めて先制点を奪取。

前半の終盤に受身の時間帯が出来、ヤニック・ジャロに対してのタックルでシジネイが2枚目の警告を受け、退場者を出してしまう。しかし厳しい展開の中で、62分にガイタンがカウンターから一人で持ち上がりファウルを受けてセットプレーを奪い取る。カルロス・マルティンスのシュートが壁に弾かれ、ハビ・ガルシアがこぼれ球を拾って繋ぎ、マキシ・ペレイラがクロスに持ち込む。それを起点になったガイタンがボレーで叩き、貴重な追加点をものにした。

直後にアイルトンを投入して守備を強化したベンフィカは、最後まで相手の反撃に耐え切り、2点のリードを守って勝利を奪うことに成功したのである。

ただ決してスポルティングのパフォーマンスがとても悪かったというわけではない。マティアス・フェルナンデスがトップ下に入ったことにより、前線に縦の関係が生まれ、役割分担も整理されていた。マティアス・フェルナンデスがボールを引き出し、ポスティガは常に最前線で動き出す。これにより2列目の選手が前を向ける場面も多かった。

問題はサイドの守備がやられすぎていたことだった。相手のスピーディな連携、鋭いドリブルを止められず、徐々に攻撃にかけられる人数が減少した。前半最後に相手が受身になった際にペースを握れたのは、守備の問題がなくなったからである。

ただジャロ、クリスティアーノの連携を無視した強引すぎるプレーがマティアス・フェルナンデスとポスティガの縦の関係を殺していた感はあり、少人数でカウンターを仕掛けるだけではあまり得点の予感はなかった。相手の良さを出させて打ち合いにしてしまうと勝利に結びつく可能性が乏しい状況だった、と言える。

終盤にはサイドの深い位置に長いボールを送って相手の強みであるエリアを押し下げ、波状攻撃に結び付けられる時間帯も長かった。前半のうちにこれが出来ていれば、試合の主導権を握ることが出来、このような結果になることはなかったかもしれない。

(筆:Qoly編集部 K)

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