アジアカップ 過去のMVP Vol.4 三浦 和良 (日本/アジアカップ1992)

静岡学園高校を中退し、単身ブラジルに渡ったのが82年。それから8年後、名門サントスのレギュラーになるまで成長したカズは、「日本のW杯出場」という悲願を達成するため、90年7月、読売SCへ移籍する。その2ヶ月後、横山監督率いる日本代表が臨んだアジア大会のバングラデッシュ戦でA代表デビューを飾ると、翌91年6月のキリンカップ、ヴァスコ・ダ・ガマ戦で初ゴール。当時からカズの人気は凄まじく、練習や試合の後、彼の周りには常に大勢のファンの姿があった。

92年に就任したオフト監督の下でもレギュラーポジションを獲得し、高木と不動の2トップとして臨んだアジアカップ。初戦のUAE戦で精彩を欠いたカズは、続く北朝鮮戦、1点ビハインド時に得たPKを失敗してしまう。ここで負けると日本は厳しくなる状況だったが、80分にカズのコーナーキックを直前に入ったばかりの盟友・中山が合わせて同点。辛うじて勝ち点1をモノにした。そしてグループステージ最後のイラン戦で、終了間際に自ら劇的な決勝点を決めると、サウジアラビアとの決勝戦でも高木の決勝弾をアシスト。攻撃の中心選手として日本のアジアカップ初優勝に貢献したカズは、ダイナスティカップに続く大会MVPに選出され、プロ化と共に新しい時代を迎えた日本サッカー界のプリンスとなった。

その後の活躍は語るまでもないだろう。43歳となったカズは先日、所属する横浜FCとの複数年契約にサイン。「キング・カズ」の現役生活に終わりは見えない。

(筆:Qoly編集部 O)



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