1996年12月18日(水) - シェイク・ザイード・スタジアム
Iran
0
0-0
0-0
PK3-4
0
Saudi Arabia
得点者

サウジアラビアが3度目のアジアの頂点に立つことになる1996年大会。そのサウジの前に準決勝で立ちはだかったのが、難敵イラン。両者はグループリーグでも同じブロックに入り、その時は3-0で快勝したイランが首位、サウジは2位でグループリーグ通過となった。

その予選での戦いから7日後、準決勝の舞台で再び合いまみえることになった両者。ファイナルに向けた一戦は、互いにまったく譲らない互角の展開となる。ダエイ、アジジの強力2トップが果敢に攻めるイランは前半30分にFKのこぼれ球をアジジがゴールへ押し込み、歓喜の雄叫びをあげるもノーゴールの判定。対するサウジはジャバーを中心にスピードのある攻撃をみせるが、アル=チュナヤンのヘッドを含め2度もポストに嫌われるなど、こちらもゴールならず。死闘の様相をみせはじめたゲームは延長戦でも決着が付かず、ついにPK戦へと突入する。そして、このPK戦が試合のハイライトとなる。両GKとも奮闘をみせていたが、イランはPK戦直前にナキサからアベドザデへと交代。そんななか、長い手足を武器に抜群の守備範囲で120分間ゴールを守り抜いたサウジの守護神アル=デアイエが一層輝きを放つ。

まず、イランの1人目のキッカーに立ったのはエース ダエイ。右隅を狙ったキックはGKデアイエの手を逃れるも、枠を大きく外してしまう。対するサウジも同様に1人目が外し、いきなり両チームとも失敗スタートとなるなか、イランは2人目ペイラバニが決めるが、デアイエはコースにきっちり反応。すると、読みに冴えを見せるデアイエは3人目ヤズダニのキックも読みきってセーブ、3人目を終えた時点でサウジが一歩リードする。だが、デアイエに負けじとアベドザデも4人目ムワリドのキックを止め追いすがる。しかし、あくまでも主役はデアイエだった。乗りに乗る24歳は6人目ハクプールのキックもストップし、勝利へリーチをかける。そして、最後のキッカーとなる途中出場のマダニがゴール右上へシュートを突き刺した瞬間に長い戦いがようやく決着した。

当時のPK戦ではプレーしていないGKに移動の自由が比較的許されていたようで、味方選手を鼓舞したり、ともに喜び合う両GKの姿が印象的に映った。アジアの黒蜘蛛とも評されたデアイエがその実力を遺憾なく発揮し、グループリーグでの雪辱を晴らしたサウジ。死闘とも呼べる苦しい試合をなんとか制して、4大会連続となる決勝進出を決めた。

(筆:Qoly編集部 I)



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