事件や事故というものは、必ず一方が加害者となり、また一方は被害者となる。仮に100%その人間が加害者や被害者でなかったとしても線引きされるわけだが、中にはその判断に手間取るケースもある。

そして、それはサッカー界も同様で、加害者と被害者を決めることが難しいファールが存在する。特に有名なのが下記の動画のようなシーンだ。

―攻撃側は地面に足を付けた状態でボールをトラップしようとする―

―守備側はそれをお構いなしにジャンプ・ヘッドでクリアを試みる―

となると、大体の場合で、下記のような“交通事故”が起こるのだが、上の書き方はやや守備側の選手が加害者となるような言い回しだ。ちょっと見方を変えてみよう。

―攻撃側は相手が後ろから飛んでくるのを察知して、自分は飛ばずにかわそうとする―

―守備側はボールをはじくことしか考えておらず、よもやの動きに対応できず落下する―

と考えれば、攻撃側の選手に非があったかのように感じられるはずだ。そして、現在のサッカーではほとんどの場合において、主審は後者のような設定で攻撃側のファールに認定することが多い。

だが、サッカー経験者であれば、“あらすじありき”の判定に対しては大きな不満を持つことだろう。実際問題、この瞬間の心理状況など、選手本人しかわからず、過失があったのか偶発的なアクシデントなのかどうかを推し図ることは極めて難しい。

もし、あなたが主審であれば、今回のシーンはどちらにファールを言い渡しただろうか。

(筆:Qoly編集部 T)

【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ

大谷翔平より稼ぐ5人のサッカー選手