2011年1月9日(日) - カタールSCスタジアム
1
0-1
1-0
1
吉田 90+3'
得点者
45' アブドゥル=ファター

アジアカップ2日目には我らが日本代表チームの登場。ヨルダンと初戦を戦ったものの、相手の戦術によってペースを乱され、先行を許す展開となってしまった。しかし後半ロスタイムという土壇場でセットプレーから追い付き、負けゲームをドローに持ち込むことに成功した。

日本が苦戦した原因となったポイントは2つ。ヨルダンの前半途中のシステム変更に対応できなかったことと、前半終了直前に失点してしまったことだ。

ヨルダンは最初5-4-1の形でスタート。5枚のDFの前に2枚のボランチを置く形にし、日本の2列目の3人とサイドバックを警戒。サイドにボールを運ばれた際にサイドハーフ+ボランチ+サイドバックにストッパーのカバーリングという厚いブロックを形成した。しかし、このシステムには大きな欠点があった。ボランチが対応する範囲が広すぎ、時折中央でぽっかりフリーの選手を作ってしまう癖があったのだ。なので日本は、守られている割にバイタルエリアで起点を作れる場面が多かった。

だがこの欠点が「呼び水」となった。ヨルダンが前半20分過ぎからシステムを4-2-3-1に変更したのである。オダイがサイドハーフに上がり、アブドゥル=ファターがトップ下に入った。これによりボランチが中央に留まることが出来、長谷部にもマークが付くようになった。さらにアブドゥル=ファターはディーブ、アブダラーとトライアングルを形成することが出来、前線に連携を生み出した。

これに日本は対応することが出来なかったのだ。攻撃では今まで使えた場所を使えなくなり、守備では遠藤と長谷部がアブドゥル=ファターを捕まえられない。ヨルダン側の意図していたゲームプランだったのか、もしくは偶然だったのかはともかく、結果として日本は完全にペースを乱された。

そして45分には上記の対応できない場所から失点。ディーブのパスからアブドゥル=ファターにドリブルで仕掛けられ、遠藤がかわされ、アブダラーが囮となってスペースが空き、シュートを許した。吉田に当たってコースが変わったのは不運だったが、間違いなく相手の戦術の成功による結果であった。

ヨルダンは戦術の成功のみならずコンディションの良好さも見せており、激しいプレッシャーや諦めないコンタクトプレーでも力を発揮。そんなチームに先制点を許し守られてしまったのだから、なかなか日本が追いつけないのも必至。中央に人が固まった後の動き直しの少なさから来る展開の遅さが足を引っ張ったという部分はあるが、それがなくても追いつくのは容易ではなかっただろう。

だが、日本は幸運にも後半ロスタイムに追いつくことができた。左コーナーキックを素早くリスタートし、長谷部が送ったクロスボールを吉田がヘディング。どん底の状態から起死回生のゴールを決めた。負けがほぼ確定した状況の中からの勝ち点1獲得は、GLの残り2試合を戦うに当たって非常に大きな結果であったといえよう。

(筆:Qoly編集部 K)




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