第五回~ エールディビジ編(1)
FOOL&DRIBBLISH。ボールを持ったら一生はなさず相手DFを突破していくドリブラー。近代サッカーでは「非効率的」「意味がない」といわれがちだが、僕の“ストライクゾーンど真ん中だ"。彼らはメッシの様な特別な存在になれるだろうか?前回4回目を書いてから約10ヶ月ぶりにこのシリーズについて記そうと思う。
名前 |
ウサマ・アサイディ
Oussama Assaidi
|
---|---|
国籍 | オランダ/モロッコ |
生年月日 | 1988/08/15 |
身長/体重 | 175cm/70kg |
所属 | ヘーレンフェーン(オランダ)所属 |
オランダには珍しくないモロッコ出身のモロッコ系ウインガー。AZの下部組織にいたが、トップチームには進めず2006-07シーズンにオムニワールド(オランダ2部)でプロ・キャリアをスタートしている。昨シーズンまではオランダ2部だとそれなりに活躍するけど、1部の壁に跳ね返された選手だったのだが、今季はこれまで17試合6ゴールの大活躍。特に第18節トヴェンテ戦ではハットトリックを決め『VvhJ』紙の採点でも9点。「アサイディ・ウェーブ」をしっかりと掴んでおきたい。
このブレイクの最大の要因はヘーレンフェーンの戦略にある。このクラブは予てから青田買いを進めてきたチームだったが、トップチームの選手を絞りきれず、30人-40人選手が在籍するという、いわゆる“だぶついた"状態だった。だが、ここ2シーズンでMFブラッドリー(アメリカ代表)、FWシボン(元オランダ代表)、プラニッチ(クロアチア代表)らが活躍したそばから選手を放出。今季から指揮をとるロン・ヤンス監督はフローニンゲンで成功した小さいチームと若手を積極的に起用しながらチームで戦う組織的スタイルを継承した様に思える。左ウイングのアサイディ、右ウイングのナルシンからなる両翼はその代名詞的存在だろう。
このアサイディのいいところはやはりボールを持てるところだろう。普通ならボールを手放してパスを出しそうなところであと1歩、2歩と進み相手のファールを誘ったり、ゴールを狙う姿勢が非常にすばらしいと思う。ちなみにとても明るい性格の様で、ゴールパフォーマンスが非常に多彩。特にアトゥバ(カメルーン代表)ばりのステップを見せることが多く、味方選手がゴールを決めても必ずかけよりやはり軽やかなステップを見せてくれる。