2010年ワールドカップではプレーオフまで勝ち残ったバーレーン。惜しくもニュージーランドに敗れて大舞台への出場は逃したものの、チームの成長をアピールしたのが半年前。ところが、その後のバーレーンは苦戦続きだ。

6月にミラン・マチャラが退任し、新たにオーストリア人のヨセフ・ヒッケルスベルガーを指揮官に迎えた。親善試合で「偽物の」トーゴ代表には勝利したが、9月に行われた西アジアカップでイランに遅れを取り敗退すると、さらにヒッケルスベルガー監督は10月末に辞任してしまった。

そこでコーチを務めていたサルマン・シャリダを新たに監督に据え、11月にはチームを整える暇もないままガルフカップに望むこととなった。そこではオマーン、イラク、UAEに1勝もできず、3試合で7失点を重ねた。かつての緻密なスカウティングと堅守速攻で鳴らしたチームの面影はもう存在しなかった。

メンバーはマチャラ政権時代と大きな違いはない。最終ラインにはマルズーキやフセイン・ババが君臨し、スピードがあるファタディやオマル、左足のキックに特徴があるサルマン・イサやアブドゥラフマン、アイシュも健在。前線からはアラー・フバイルが抜けたが、イスマイル・アブドゥラティフ、ジェイシー・ジョンに加えて新鋭アル＝ダキールが台頭した。

しかし大会前の準備試合に至っても、攻守ともに決め手のない状況は続いている。不動のボランチであったサルミーンは依然として戦列に復帰できず、さらに12月31日のサウジアラビア戦では最終ラインの要マルズーキ、キャプテンを務めるサルマン・イサの二人が負傷してしまい、チームに暗雲が立ち込めている。韓国、オーストラリアに混じってグループ2位を突破するのは、バーレーンにとってかなり厳しいミッションとなるだろう。