2010年12月17日(金) - スタッド・ドゥ・ラ・ボジョワール=ルイ・フォンテノー(ナント)
Nantes
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0-0
0-0
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Sedan
得点者


7位につけるナントと、3位という驚きの好成績を残しているスダンの試合はスコアレスドロー。勝ち点1を分け合う結果となった。

内容としては、スダンが上手く相手を自分の土俵に持ち込んで戦い、アウェイでの引き分けを得たという形になるだろう。今季得意としている長いレンジのパスからラッシュをかけていく攻撃、それに合わせた切り替えの速い守備。中盤を頻繁に省略することで相手を引かせ、蹴り合いの展開に引き込んだ。

スダンは選手の能力としては決して高いレベルにあるとは言えない。一人で仕掛けられる選手はカラブエくらいで、後はリーグ・ドゥのレベルでも平凡な選手たちだ。そして選手層も薄く、サブに控える駒も頼りにならない。しかしこの大雑把な内容に持ち込む能力が高く、その展開の中で勝つ、あるいは負けないための戦術が上手く構築されている。ロングボールが入った際の速い押上げ。切り替えが早く連動したプレッシャー。チームの全員が愚直にプレーできるチームだ。

それに対して、ナントは選手の能力では優っているものの、大雑把な展開の中で勝つための戦術に乏しかった。序盤はボールを繋ごうと努力はしたが、後方でのパスミスが多く頓挫。結果として相手に合わせて長いパスを多用することになったが、スダンと比べれば戦術が徹底されていなかった。

2トップの守備意識の低さからプレッシャーをかける位置が低く、ロングボールを好きに蹴りこまれてしまっていた。なのでボールを奪う位置は低く、前線のサポートが乏しくなる。かと言って最終ラインからゲームを作っていけるほど後方の選手に技術がない。そのため攻撃は単発に終わることが多くなってしまっていた。最後は相手が交代枠を使ったことでリズムを失い、半ばパワープレー気味に攻めることができたものの、そこでもチャンスを生かすことは出来なかった。

ナントはリーグ・ドゥの中では選手の能力、資金力共に突出しているが、それを生かしきれているとは言いがたい。やりたい事はわかるのだが、それをやり切れるほどの力はなく、それを潰しにかかられるとすぐに相手に合わせてプレーしてしまう。かつてはリヴァプールでもプレーしたベテランのブルーノ・シェルーを補強しながら、昨年と同じ「若い」サッカーになってしまっているのは非常に残念だ。

今日はかつてナントでリーグを制覇したクリスティアン・カランブーがスタジアムを訪れていたのだが、彼はこの不甲斐ないチームをどんな気持ちで見ていたのだろうか…

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