11日、ガラタサライはゲンチレルビルリジと対戦。10月にライカールト監督との契約を解消し、クラブ史上最高の選手の一人であるハジが新監督に就任したガラタサライだが、案の定というか、指揮官交代後も2勝2分け4敗と状況は変わらず、この日も15位のゲンチレルビルリーを相手に0-2で敗戦。苦しい戦いが続いている。

さて、ガラタサライはこれが今年最後のホーム戦。来年1月から完成したばかりのトゥルク・テレコム・アレナに本拠地を移すため、このゲンチレルビルリー戦がホーム、アリ・サミ・イェンでのラストゲームとなった。アリ・サミ・イェンといえば、2000-01シーズンのCLミラン戦で、あのパオロ・マルディーニが「初めて膝を震えさせた」と語ったほど圧倒的な雰囲気を持つスタジアムとして有名。『Welcome to Hell』のトルコサッカーを象徴する“地獄への入り口”として、長くファンに愛されてきた。

しかし、現在の22,800人という収容人数(※トルコサッカー協会による数字)は、ガラタサライほどのクラブにとっては如何にも手狭。参考までに書いておくと、フェネルバフチェのシュクル・サラジョウルが50,530人、ベシクタシュのイネニュが32,086人である。また、残念ながらフランスに敗れたものの、トルコが2016年のEURO招致を目指していたことも新スタジアム建設の追い風となった。2007年5月、アリ・サミ・イェンから北へ4kmほどの郊外に建設計画が発表され、今月それが完成。シャルケのヴェルティンス・アレナをモデルにしたという、52,650人収容の最新式のスタジアムが来年から稼動する。

アリ・サミ・イェンの雰囲気をもう味わうことができないというのは非常に残念だが、別れはいつか必ず訪れるもの。今はありし日の“地獄”の姿を懐かしみ、惜しみたい。

1993-94シーズン、CL2回戦でマンUを撃破。マンUは若き日のあの人やこの人がぞろぞろ。


黄色や赤は座席の破片。ジーコ「なんだここは…」