2010年10月18日(月) - スタッド・ドゥ・ラ・リベラシオン(ブローニュ=シュル=メル)
US Boulogne
0
0-0
0-0
0
FC Nantes
得点者


1部昇格を狙える戦力を備えるブローニュとナントの一戦は、お互いにペースを掴む時間がありながらもチャンスを生かし切れず、スコアレスドローで終了した。

両チームとも試合に対する狙いは似通っていた。ブローニュは元々守備をベースにカウンターで素早く攻めるという志向を持っているチーム。さらに普段は比較的ボールを繋ぎたがるナントもアウェイゲームということでパスが出せるダルビオンやヴァンキュールなどを使わず、ドリブラーのネゴとキャプーを両サイドに起用し、カウンターからのスピードある攻めを狙っていた。そのため、試合の序盤はお互いに慎重にリスクを冒さずジャブを繰り出し合う展開となった。

しかし徐々にホームのブローニュがペースを掴んでいく。その原因となったのは、この戦術に対する習熟度の差だった。ナントはFWとウイングにボールを渡すとサポートが少なく、ジョルジェヴィッチも前で待つだけ、ボランチも2枚とも攻め上がらないため崩しの連携が乏しい。それに対しブローニュは、ドリブルでボールを持ちあがれるカルルやヤタバレを基点として、ティルが下がって縦パスを受けてワンツーで崩す、ベサやデュカテルが追い越す、攻撃に入るとサイドバックが素早く上がってくるなど、いかにスピードを落とさず連携を作るかという点において一歩先を行っていた。

ナントはそれによって下がらされ、ジョルジェヴィッチのロングボールに頼らざるを得なくなってしまい守勢に回ることとなったが、失点だけは避けられたのが僥倖であった。後半はこの展開を踏まえて、大きく修正を成功させる。前線から積極的にプレッシャーをかけてコースを限定し、ティルのポストワークに強くチェックして縦パスを収めさせないように守備を変更。さらにボランチ二人が積極的に前線に顔を出し、FWとの縦の関係を作り出す。これが非常にナントの機能性を向上させた。

そしてお互いに点が取れないまま迎えた60分過ぎ、両チーム共に終盤を勝負所と見て一気に攻めに出た。ナントはここでダルビオン、デブレという技術系選手2枚を、そしてブローニュがザルゴ・トゥレをアンカーに投入してジョルジェヴィッチのマークに付けるとともに、ブラヤックをウイングに投入。試合は終盤ながらもフレッシュな攻撃陣と中盤は運動量をさらに上げ、最終ラインは互いに疲弊しスペースが生まれ、残り30分は激しく攻め合う展開となった。

しかしブローニュは終盤に訪れた3つの決定機を、ナントはセットプレーから得たチャンスを決められず、お互いに得点力を欠いた。これらの終盤の展開においても、両チームが狙っていたゲームプラン、そしてそれによって得られた結果も似通ったものになった試合だったといえる。

【厳選Qoly】スゴいメンバーだ…長谷部誠がプレーした「最強のチームメイト」ベストイレブン

日本人がケチャドバ!海外日本人選手の最新ゴールはこちら