ロシア・プレミアリーグ 第23節

今節の注目は、4位ナリチクと首位ゼニトの上位対決。9節の首位決戦ではゼニトが3-1で勝利しているが、審判の判定にゼニトが助けられたというのも事実。前節、デャデュンのハットトリックでディナモに快勝したナリチクとしては、ホームのスパルタク・スタジアムでなんとか勝ち点を手にしたい試合であった。

前節と同じく開始から相手を押し込んだゼニトは、2分、22分とケルジャコフが自慢の得点感覚を見せつけ、早々に2点のリードを得た。最近絶好調のケルジャコフ。当然アドフォカート監督率いる代表チームにも招集されており、8日のアイルランド、12日のマケドニアというアウェイ2連戦でもゴールの期待がかかる。

ナリチクも粘りを見せ、前半終了間際にセットプレーからゴリッチがゴール。悪くない流れでハーフタイムを迎えた。しかし、ゼニトは後半開始直後、ジリアノフの巧みなコントロールからのクロスをシロコフが決め、再びナリチクを突き放した。夏にセマクが加入して以降ますます出場時間を減らしているジリアノフであるが、まだ32歳と老けこむ年ではなく、代表にも呼ばれている通り実力は健在である。その後はナリチクの攻撃をゼニトが耐える展開となり、89分にヴァシンのフリーキックで1点差となるがそこまで。ゼニトがアウェイで難敵ナリチクを下した。

なお、試合が終了すると同時にボールボーイが一斉にゼニトの選手へ駆け寄り、サインなどをねだる姿も印象的だった。それもそのはずである。ゼニトのスタメンは、マラフェエフ、アニュコフ、ビストロフ、デニソフ、ジリアノフ、シロコフ、ケルジャコフ(以上ロシア)、ブルーノ・アウヴェス、ダニー(以上ポルトガル)、フボチャン(スロバキア)、ロンバーツ(ベルギー)と、11人全員がこの後それぞれの代表チームに合流する選手たち。ベンチにもルコヴィッチやブハロフなどが控えており、年々加入選手のレベルが上がっているロシア・プレミアリーグのなかでも、ゼニトの戦力は頭一つ抜け出しているといって良い。


4日前にバルセロナと再びホームで引き分けたルビン。この日は最下位シビルとのアウェイゲームである。バルサ戦の先発からは6人が入れ替わり、夏にシビルからルビンへ移籍したメドヴェージェフが1トップに入った。

試合は 29分、左サイドからのコーナーキックを、ジョセフ=レイネッテ。ファーストネームの“スティヴ”で呼ばれているフランス人DFのヘディングシュートで、意外にもシビルが先制点を挙げた。シビル相手に勝ち点を落とすわけにはいかないルビンは、後半頭からアンサルディとゴルバネツに代えて、カレシンとコルニレンコを投入。すると早速PKのチャンスを手に入れ、ノボアがバルサ戦と同様確実に決めて同点。さらに80分、左サイドからのクロスをボッケッティが落ち着いて処理し、ルビンが逆転に成功した。ところがその直後、モロシュが放った強烈なフリーキックをGKのリジコフが前にこぼしてしまい、これをベリャエフが押しこみ再びシビルが追いつく。その後ルビンは再度勝ち越しのチャンスを迎えるが、ノボアのシュートはクロスバーを叩き、結局試合は2-2のまま終了。ルビンにとっては痛恨の引き分けとなった。


CSKAモスクワは5位ロストフをホームに迎えた。ヴァグネル・ラヴとドゥンビアが加わった8月以降、CSKAは欧州戦も含め9勝1敗。前節のトム戦で初のアベックゴールを記録したリーグ最強の2トップを、如何にして止めるか。それがCSKAと対戦するチームにとって最大の課題となる。

先制点は前節に続き、ラヴの左足から生まれた。やや下がり目でボールを受けると、相手の出方を伺いながら豪快なロングシュート。「あの形からあそこに決められてしまえばお手上げ」というラヴのスーパーゴールでCSKAがリードを奪う。ラヴは前半終了間際にも、エリア内でハグシュからファウルを受けPKをゲット。自らのキックで楽々と追加点を挙げた。守っても、アキンフェエフに代わりプレミアリーグ初出場を果たしたGKチェプチュゴフを中心にロストフの攻撃を完封。CSKAが磐石の試合運びで2位ルビンとの勝ち点差を詰めている。


その他の試合では、スパルタク、ロコモティフ、ディナモの3チームが珍しく揃って白星を挙げたほか(しかも全て1-0勝ち)、クリリアがアンジ、アラニアに連勝を飾り、14位アムカルと勝ち点で並んだ。そのアムカルの巻はベンチに入ったものの不出場。テレクに敗れたトムの松井は、前半28分に監督の判断で交代となっている。


HOME AWAY
アムカル 0-1 ディナモ・モスクワ
アラニア・ウラジカフカス 2-3 クリリア・ソヴェトフ
テレク・グロズヌイ 1-0 トム・トムスク
シビル・ノヴォシビルスク 2-2 ルビン・カザン
CSKAモスクワ 2-0 ロストフ
アンジ・マハチカラ 0-1 スパルタク・モスクワ
スパルタク・ナリチク 2-3 ゼニト
サトゥルン 0-1 ロコモティフ・モスクワ

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