昇格チームながら1勝1分と好調なスタートをきったチェゼーナ。どうしても日本代表長友選手ばかりに目がいきたくなるが、このチームの3トップは個性豊かだ。

中央のボグダニは、2000年から5年間在籍したレッジーナで中村俊輔とプレー。シエナ、キエーヴォ、リヴォルノと数々のクラブで経験を積んだ、セリエAでもおなじみの長身ストライカーだ。今季は、中央でボールがおさまるばかりか、無骨ながら単独突破を見せるシーンも多く好調ぶりをうかがわせる。

右のスケロット、左のジャッケリーニは共に無名だが、これが今までどこに隠れていたのか？というほどの逸材。

単独突破だけでなくクロスに魅力があるスケロットは、アルゼンチン出身だが2008年にチェゼーナでプロ・デビューし、2009年にはイタリアU-21代表へ選出され国籍変更。既に保有権はアタランタに売却され、チェゼーナへはレンタルという形で残留している。ポジションやその働きから“カモラネージ2世”と呼んでも差し支えないだろう。

ここまでチームのMVPと言っても過言ではないジャッケリーニは、身長160cmととにかく小柄。これまではセリエCを中心にプレーしており、25歳にして初のセリエA挑戦となるが、開幕前に「活躍次第ではビッグクラブから注目される存在」と語っていたフィッカデンティ監督の言葉通り、見事な活躍を見せている。俊敏で飛び跳ねる様なドリブルで左サイドからカットインしていく姿はメッシを髣髴とさせる。

組織的な守備が機能しているだけにこの両翼が今後も安定した成績を残せれば、チェゼーナは上位戦線に踏みとどまるかもしれない。

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