スペイン1部リーグで活躍するビジャレアル。2010-2011シーズンへ向けたチームの補強策はなかなかにユニークだ。

マジョルカからMFボルハ・バレーロ(スペイン)を補強した以外は、昨季ビジャレアルBでプレーしていたメンバーからの補強。その数はMFマティージャ(スペイン)をはじめ10人前後にのぼる。反対にDFディエゴ・ゴディン(ウルグアイ代表)をアトレティコ・マドリードに放出、MFアリエル・イバガサ(元アルゼンチン代表)、ロベール・ピレス(元フランス代表)らベテランを放出するなど大きくチームの若返りが行われた格好だ。

これだけであれば、“若手の積極的な起用”と1行で片付けられそうなものだが、Bチームの補強にからくりがある。ビジャレアルBチームがスペイン2部リーグにいることもあって、アルゼンチンなど世界各国からメンバーを補強、未来のビジャレアル1軍メンバーをまずBチームで試そうという狙いもあるのだ。

2010-2011シーズンも、べレスからファクンド・コリア、フェッロ・カリル・オエステからゴンサーロ・カステジャーニ、トッテナムからドリアン・ドゥルヴィト、ユヴェントスからヤーゴとすでにトップチームでやっている選手たちを補強。内部補強とあわせるとトップチームよりもお金がかかっているだろう15人前後の大型補強となっている。

2008-2009シーズンにアルゼンチンから補強したFWマルコ・ルベンはビジャレアルトップチームでは活躍できなかったが、2009-2010シーズンに“降格”という形でプレーしたビジャレアルBで結果を残し、シーズン後半にはトップチームへ復帰した。1年目、合わない環境で苦しむことになる選手を早々に見捨てるのも手だが、1、2軍一体となった補強案は選手の育成という面でも大きな意味をもちそうだ。

有望な若手選手には多額の移籍金と“○○2世”、“△△の再来”といった期待がつきまとうが、現実はそう甘くはなく半分以上の選手は数年で“過去の人”になってしまう。ビジャレアルの補強策がそこに一石を投じるかどうかは、今シーズンの最終結果が明らかにするだろう。

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