W杯の惨敗以来、初めてとなるイングランド代表の招集が行われた。 ジャック・ウィルシェアー、キーラン・ギブス、ボビー・ザモーラの3人が新たに招集される一方、キャラガー、キング、アプソン、ヘスキーといったベテランたちの名前はなかった。

平均年齢を引き下げて心機一転、2012年のEUROを目指すイングランドだが、早くもカペッロ監督の権威が揺らいでいる。 メンバーを発表した翌日、2人の選手が代表引退を申し出たのだ。 イングランド代表よりもクラブを優先する、と宣言したのはポール・ロビンソンとウェズ・ブラウン。

31歳のロビンソンはかつての代表の正GK。EURO2008予選でバックパスを空振りして失点して以来代表から遠ざかっていたが、昨シーズンブラックバーンで活躍し代表に復帰していた。 ロビンソンは、

「3番手や4番手は耐えられない。僕はクラブに集中したい」

とインタビューに答え、ジョー・ハートやベン・フォスターの控えになることを拒否した。ブラウンも同じように、「もう30だし、若い選手に道を譲りたい」と代表引退を表明している。

カペッロにしてみれば、いきなり出鼻をくじかれたようなもの。 さらにこのイタリア人監督を激怒させたと思われるのが、マイケル・キャリックの一件だ。カペッロがキャリックの代表参加を求めたとき、マンUのファーガソン監督は「キャリックは怪我でしばらく出場できない」と答えた。しかし、その2日後のコミュニティ・シールド(8日)でキャリックはなんと先発し78分もピッチの上にいたのだ。

ありがちなクラブと代表の駆け引きではあるが、都合よく代表を回避されたカペッロの権威は揺らぐばかりである。国内のメディアでもカペッロに対する懐疑論が渦巻いている。イングランドの前途は暗い。


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