90年代初頭、シニョーリ、バイアーノ、ランバウディの3トップを中心とした超攻撃サッカーでセリエAを席巻し、「ミラクル・フォッジャ(Foggia dei Miracoli)」と称されたクラブに、あの男が帰ってきた。
7月20日、USフォッジャはズデネク・ゼーマン監督と契約したこと発表。89年から94年までフォッジャの指揮を執っていたゼーマンにとっては、実に16年ぶりの復帰となる。翌21日、フォッジャ駅前のアリストン映画館で行われた就任会見には1000人以上のファンが詰めかけ、今年クラブ創設90周年を迎えた“サタネッリ”(フォッジャの愛称で「小さな悪魔たち」の意)の復活に期待を寄せた。ゼーマンは2008年6月にセルビアの名門レッドスターの監督に就任するも、あまりにも厳しすぎる練習内容に選手が反発。成績不振もあり数ヵ月で解雇され、その後はフリーとなっていた。
フォッジャは現在、イタリアの3部リーグに当たる、レガ・プロ・プリマ・ディヴィジオーネのジローネ(グループ)Bに所属。2009-2010シーズンは15位で、プレーオフの末に残留した。今季はミランからシモーネ・ロマニョーリ、インテルからミケーレ・リジョーネをレンタルで獲得するなど積極的な補強を行っている。
今年の3月に63歳となったゼーマン。独自の理論に基づいた自慢の攻撃サッカーで、再び“ミラクル”を起こすことができるだろうか。