「結局、スペインが王者に相応しかったということを証明した。彼らがここ数年間素晴らしいプレイを続け、サッカーがどういうものかということを見せてきた。国内リーグに目を向けると、世界に名だたるビッグクラブが存在し、資金で勝利を掴むチーム、下部組織から才能を引き上げるチームといった具合に多様であり、レアル・マドリーやバルセロナは、世界中にサッカーの魅力を伝えきた。そして、それを伝える番が代表チームに回ってきたということだろう」
「ただ、スペインが下馬評通りに優勝したとは言え、彼らが勝ち上がるまで苦戦した理由の一つを見つめ直すべきだと思う。それはW杯の運営面、スケジュール面だ。審判についても考え直さなければならないだろう。サッカーをより良いスポーツに押し上げるためには、FIFAは何か動かないといけない。ダイナミックなサッカーを作るには、ダイナミックな措置が必要だ。ダイナミックというのは、競り合い等も含む。『ファールであったのか、そうでなかったのか』をしっかりと見極める必要がある。それはゴールという判定が正しかったか、オフサイドという判定が正しかったか等についてもそうだ。人間の目に限界があるならば、第四の審判として、テクノロジーに頼ることも悪くないとは思う。どこから使うか、どこで使うかという議論を入念に行えば、問題はないはずだ」
「日本がスペインのサッカーを目指すということはいいかもしれない。ただ、一晩でスペイン人になることは出来ないし、得意のコピーではダメだ。あくまでも参考にするということが重要だ。だが、日本には、チャビやイニエスタのようなタイプの選手が育つ可能性はあると思うし、彼らをモデルにすることは間違いではないはずだ。後は、日本サッカー協会が、『日本人が最も向いているサッカーは何なのか』を再考した上で、しかるべき人間に“長いスパン”で日本代表を任してもらいたい」
上記は、スカパー!のオフィシャルコメンテーターとして、W杯のゲスト解説を務めているイヴィチャ・オシムがオランダ×スペインの試合終了後に語った文言をQoly.jpで編集したものである。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ