■不安定なDFライン

前回記事のように、カメルーンは前からの意欲的なプレッシングを行う故、バックラインもなるべく高い位置を取ろうと心掛けている印象がある。

ただ、そのDFラインで安心して見ていられる選手がエンクル一枚というのが現状であり、彼らがこれまで積み重ねてきた失点場面以外にも脆さがうかがえるシーンは散見される。

例えばこのシーンでは、エンクルがチェックにいったものの簡単に離されてしまい、DFラインにギャップが発生。守備の要でもある彼の特徴として、インターセプトやタックルに積極的である点があるが、彼がDFラインから抜けた後に3人で構成するラインはかなり不安定。結果的に攻撃側がパスを誤り、ピンチとはならかったが、統制の取れていないラインが生み出した数々のギャップは、「突いていくべき弱点」であると言える。

ニコラス・エンクル
Nicolas Alexis Julio N'Koulou N'Doubena

1990年3月27日生まれ
187cm / 77kg

より具体的に言えば、「エンクルを釣りだした後の裏」を作為的に作り上げることで、比較的容易に相手をアラート状態に陥れることができるかもしれない。

上記の映像ではR・ソング、ジェレミらが先発していたが、彼らに代わりセンターにバソング、右サイドバックにマンジェクやエンビアが起用されたとしてもこの問題点が突如としてなくなるとは考え難く、日本代表にとっては狙いどころとなる。

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