先日、ミランとの契約延長が発表された元イタリア代表FWのフィリッポ・インザーギだが、弟でラツィオのFWシモーネ・インザーギは5月22日に現役引退を発表した。
シモーネは地元のピアチェンツァでキャリアをスタート。下部のクラブをレンタルで点々としながらもゴールを挙げて結果を残すと1998年にピアチェンツァに復帰。ラツィオ戦でセリエAデビューを果たすと終了間際に同点ゴール。その後15ゴールを挙げて、強豪ラツィオへ移籍した。
ラツィオ移籍後は多くのスターとの競争が待っていた。エースとしての地位を確立することはできなかったが、1999-2000シーズンのチャンピオンズリーグでは、2次リーグのマルセイユ戦で4得点を記録。同シーズンの得点ランク3位となる9点を奪った。また、この年はセリエAで22試合に出場。スーパーサブとして活躍し、ラツィオのスクデット制覇に大きく貢献した。2000年の3月にはゾフ監督の元で代表デビュー。兄フィリッポとの共演に注目が集まったが、兄は前半で退いてしまった。しかし、トラパットーニ体制の2000年11月に兄弟の夢は叶った。イングランド戦でわずかではあったが兄と共に代表のピッチに立った。
その後、財政難に陥っていくラツィオではスター選手が次々と移籍していくが、シモーネはサンプドリアやアタランタへのレンタル移籍を経ながらもチームに残留。貴重なスーパーサブとしてラツィオを支え続けた。
兄と比較し続けられた苦労は大きかったと推測されるが、高い身体能力は兄以上であり、兄同様に優れた嗅覚を持った選手だった。また、数多くの選手が移籍を繰り返す中、レンタルを除けばピアチェンツァとラツィオの為にプレーし続けたサッカー人生であり、ティフォージの心に刻まれる選手であったのは間違いない。今後は指導者の道へ進むと言われているが、是非とも優秀な選手を育てあげて欲しい。