ユヴェントスへの加入初年度となった2009-2010シーズンは、フェリペ・メロにとっては失意のシーズンであった。“ビアンコネーロ”の一員となった彼のパフォーマンスは、フィオレンティーナ時代のそれとはかけ離れたもので、メディアからは批難の的に。不甲斐ないチームの戦犯のようなレッテルすら貼られた。

だが、彼の才能を信じつづける者がロンドンにいる。アーセナルのアルセーヌ・ヴェンゲルだ。今年初冬にも「メロは獲得したい選手の一人だ」と公言したが、セスクの放出が現実味を帯び始め、ヴェンゲルは再びメロへの興味を強めているようだ。

しかし、メロ本人はこの話に関心はない様子。ユーヴェでの成功を願い、クラブとの契約期間を全うする意思を表明した。

「ユーヴェでのシーズンは本当にネガティブなものだった。僕が予想していたようには上手くいかなかったからね。だけど、僕のパフォーマンス自体は悪くはなかったと自負しているよ」
「アーセナルの話は耳にするけど、具体的な話はない。今言えることは、ユーヴェと結んでいる4年の契約を全うすることだけだ。僕を愛してくれているサポーターのためにもクラブにタイトルを獲りたいしね」

ブラジル代表ボランチのこの発言は、ヴェンゲルにとっては残念極まりないだろう。これでセスクの“後釜探し”は袋小路に入ってしまった。

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