日本時間の29日3時45分にバルセロナとの2nd.legに挑むインテル。
試合前日の記者会見に臨んだモウリーニョは、いつものように独特な言い回しで会見場をモウリーニョ色に染めた。
「(今季のグループリーグで)11月にここに来た時、サポーター達は歌っていた。『おれらはマドリーに行くんだ』ってね」
「私が選手達に伝えたいことは、“夢を追おう”ということだ。『それは絶対に叶えなくてはならない』なんて考えてはいけない。我々にとって、あくまでもそれは夢に過ぎず、至上命題というわけではない。だが、バルサにとっては、それは夢ではなく、課題の一つみたいなものだ。一種の強迫観念みたいなものかもしれないね」
「私は夢というものは、プライドの周りにあるものだと考えている。そして、私の選手達は強いプライドを持っている。つまり、マドリーだろうが、モスクワだろうが、ロンドンだろうが、どこで行われるにしても、『決勝戦に辿りつこう』という夢に誇りを持っているということだ。だが、彼らはそれとはまた違う感覚を持っているだろう。彼らは(これまで行われたCL決勝戦の舞台である)ローマ、パリで勝利し優勝に辿りついた。つまり、今、感じていることは『優勝しなくてはならない』という感情だと思う」
あからさまではなく、遠回しに心理戦を仕掛けたモウリーニョ。
彼の代名詞とも呼ぶべき、巧妙なジャブがバルセロナの選手達にダメージを与えることはないだろうが、元ホームスタジアムであるカンプノウに戻ってきた彼の静かな闘争心が感じられた記者会見であった。