グループA
第5節
エステグラル (イラン) | 2-1 | アル・アハリ (サウジアラビア) |
アル・ガラファ (カタール) | 4-2 | アル・ジャジーラ (UAE) |
グループAは第5節の結果で決勝トーナメント進出2チームが決定した。
ヴィトール・シモエス、マルシーニョ、マレク・マーズで構成された強力3トップを組んで大一番に望んだアル・アハリであったが、守備陣の弱さから先制点を許し、かなり幸運な判定でPKを獲得して一旦は同点に追いつきながらもコーナーキックで再び失点。エステグラルの前にあえなく敗戦し、GL敗退が決定した。また、既に敗退が決定していたアル・ジャジーラも、今大会初の複数得点をあげるも4失点と守備が崩壊して敗戦。5試合を戦って13失点と守備力の欠如をカバーすることが出来ず、チームの総合力は最後まで低いままだった。
残りはGL突破を決めた2チーム、アル・ガラファとエステグラルのどちらが首位に立つかがポイントだ。決勝トーナメント1回戦は一発勝負であり、首位通過すれば試合をホームで行うことになる。現状の勝ち点で上回り、完全に調子を崩しているアル・ジャジーラとの対戦を残すエステグラルが有利だろう。
グループB
第5節
アル・ワフダ (UAE) | 1-0 | ゾブ・アハン (イラン) |
アル・イテハド(サウジアラビア) | 1-1 | ブニョドコル(ウズベキスタン) |
首位をひた走っていたゾブ・アハンが、ここまで4連敗と泥沼にはまっていたアル・ワフダに敗れるという波乱があった。たった1500人強という僅かな観客の中であったが、アル・ワフダは今大会で一番の気合いを見せ、カウンターを受けることを恐れずに仕掛けていったことが幸いした。GL突破をほぼ決めていたためか不安定なゾブ・アハンのミスを生かし、終盤にカウンターを決めて勝利を手にした。
ゾブ・アハンが勝ち点を伸ばせなかったことでチャンスが増大したアル・イテハドとブニョドコルの試合は、勝利で決勝トーナメント進出が決まる前者と、負けると敗退が決まる後者の直接対決となった。試合は西村雄一主審のデリケートなジャッジに両チームが適応できず終始荒れムード。さらに、35分のアル・イテハドの先制点に繋がったPKはファウルを取られたジョアン・ヴィクトルが先にボールを触っており、62分の同点ゴールもオフサイドで取り消されていてもおかしくないものであった。クラブのスタッフが西村主審の警備にあたっていたオフィシャルスタッフに跳び蹴りする場面もあり、混乱の中で試合は1-1のまま終了した。
この結果、ブニョドコルとゾブ・アハンの勝ち点差は3に。直接対決で2連敗しているブニョドコルが逆転することは不可能になり、ゾブ・アハンのGL突破が決まる結果となった。アル・イテハドは次節、引き分け以上で自動的にGL突破が決まる。ブニョドコルはアル・ワフダに勝利した上でアル・イテハドが敗北することが突破の条件だ。
グループC
第5節
パフタコール (ウズベキスタン) | 3-2 |
アル・アイン (UAE) |
セパハン (イラン) | 1-0 | アル・シャバブ (サウジアラビア) |
前回、前々回の記事で「混戦」と書いたグループCは、ようやく情勢が決まり始めた。アル・アインが4、5節と連敗したことでGL敗退が決まり、パフタコール、セパハン、アル・シャバブの3チームに絞られ、それぞれ勝ち点9、8、7で最終戦を迎えることとなった。
一番有利と言えるのは前回通りセパハンだと言える。最終戦は既に敗退決定のアル・アインとの試合であり、引き分け以上、あるいは敗北しても他会場でアル・シャバブが勝利しない限りは決勝トーナメント進出が決定する。戦術的にも、フォワード陣の守備意識が低いアル・アインに対して、セパハンのポゼッション志向は決して不利にはならないはずだ。
もう一方のアル・シャバブ対パフタコールの試合は壮絶になりそうだ。どちらも勝利すれば文句なしに決勝トーナメント進出が決まる試合とあって、高いモチベーションを持って望んでくるだろう。サウジアラビア勢屈指のカウンター志向であるアル・シャバブの守備に対し、パフタコールの攻撃の中心、好調のアーメドフ、アンドレーエフがどれだけ活躍できるかが勝負の分かれ目。両者共に守備力は堅固とは言えないため、点の取り合いになる可能性もある。
グループD
第5節
アル・アハリ(UAE) | 2-1 | メス・ケルマン (イラン) |
アル・ヒラル (サウジアラビア) | 0-0 | アル・サッド (カタール) |
1位、2位の直接対決となったアル・ヒラルとアル・サッドの試合は引き分けに終わった。内容は終始アル・ヒラルが押していたものの、ゴールだけが最後まであげられず、判定に不満を持ったエリック・ゲレツ監督が退席処分にもなった。しかしアル・ヒラルはこの引き分けで決勝トーナメント進出だけでなくグループ首位も決め、幸運にも最終戦は完全な消化試合になり、ゲレツ監督の不在も問題にならないはずだ。
一方、アル・サッドは逆に引き分けで厳しい立場になるはずだった。だが他会場では、第4節終了時に有利な立場になっていたメス・ケルマンが低迷していたアル・アハリに敗北。メス・ケルマンは流動的に選手が動き攻撃を仕掛けるチームなのだが、個々の能力で劣り得点力がなく、圧力に押されたりカウンターを狙われると脆い。UAE代表のハリル兄弟を2トップで使った積極的な姿勢のアル・アハリに序盤押し込まれ失点すると、後半は圧倒的に攻めるもカウンターを受けてPKを献上。これが決勝点となった。この結果、最終戦はアル・サッドとメス・ケルマンのマッチレースに。両チームの最終戦は、共に消化試合となる相手をホームに迎える大事な試合となる。
勝ち点4のアル・アハリは、理論上可能性はあるが「アル・サッドに6点差以上で勝利した上でメス・ケルマンが敗北」という奇跡に近いシチュエーションが必要なので、事実上脱落したと言って良いだろう。