グループA



第3節
エステグラル (イラン) 3-0 アル・ガラファ (カタール)
アル・アハリ (サウジアラビア) 5-1 アル・ジャジーラ (UAE)
第4節
アル・ガラファ (カタール) 1-1 エステグラル (イラン)
アル・ジャジーラ (UAE) 0-2 アル・アハリ (サウジアラビア)

2位と3位の間に大きな勝ち点の差が付いていたグループA。しかしこの2試合で決勝トーナメント出場権争いは混沌としたものになった。

2連敗で下位に沈んでいたアル・アハリがアル・ジャジーラを2試合共に下し、勝ち点を6に乗せた。ヴィクトル・シモエスとマルシーニョ(2008年に鹿島に所属)のブラジル・ホットラインに、期待の若手である20歳のジェザウィが絡む攻撃力は優秀だ。守備力がないアル・ジャジーラでは彼らを止めることはできなかった。

しかし依然として首位、2位はエステグラルとアル・ガラファが守っている。アル・アハリは残りの2試合が上位との直接対決。高速ストライカー、マジディを擁するカウンターが武器のエステグラル、タレントで勝るアル・ガラファという2強の牙城を崩せるかが注目だ。

グループB



第3節
ゾブ・アハン (イラン) 3-0 ブニョドコル(ウズベキスタン)
アル・ワフダ (UAE) 5-1 アル・イテハド(サウジアラビア)
第4節
ブニョドコル (ウズベキスタン) 0-1
ゾブ・アハン (イラン)
アル・イテハド (サウジアラビア) 4-0 アル・ワフダ (UAE)

さすがに前回準優勝チームは伊達ではなかった。アル・イテハドが格下アル・ワフダを完璧に下し、グループ2位に躍り出た。守備力に問題を抱えるアル・ワフダはアル・イテハドの攻撃の前に沈黙し、UAE国内では効果があるパス回しも完全に狙われてしまった。UAE代表エースであるイスマエル・マタルの能力に頼るばかりでは、サウジアラビア王者には歯が立たなかった。

一方前回の記事で「ACL優勝も狙える」と言ったブニョドコルは、ゾブ・アハンに連敗してしまい危機的状況に陥った。特に第4戦、タシュケントで行われたホームゲームでは、リバウドがようやくスタメンに復帰し、終始押し気味に試合を進めながらも、キーパーのミスで失点するショッキングな負け方であった。しかもリバウドは試合途中にマンスーリの頭部をハイキックして退場処分となり、次節のアル・イテハドとの大一番に出場できない。ここがブニョドコルの踏ん張りどころになりそうだ。

そして、首位ゾブ・アハンの決勝トーナメント行きは堅い。西地区で強いのはアル・ヒラル、アル・イテハドだと筆者は思っているが、一番面白いのはゾブ・アハンだと思っている。小柄でスピードがあるハラトバリを最前線に据えた流動的サッカーはまさに「0トップ」。目立った選手は全くいないが、個人的には躍進して欲しいチームNo.1である。

グループC



第3節
パフタコール (ウズベキスタン) 2-1
セパハン (イラン)
アル・アイン (UAE) 2-1 アル・シャバブ (サウジアラビア)
第4節 
セパハン (イラン) 2-0 パフタコール (ウズベキスタン)
アル・シャバブ (サウジアラビア) 3-2 アル・アイン(UAE)

第3、4節を終えてもこのグループは混戦であった。この2節、全てのチームがホームで勝ち、アウェイで負けて1勝1敗。順位も勝ち点差も結局まったく変化無しだ。

その中でようやく希望が見えてきたのがアル・アイン。第3節でエメルソンが復帰し、それまでは絶望的だった攻撃力に大きな上積みがなされたのである。前回の記事で力は上と書いたのはセパハンであったが、残りのホームゲームはアル・シャバブとの対戦。アル・シャバブがアル・アインと戦った第4節の、アンゴラ代表の点取り屋フラヴィオ、それを支えるトップ下マルセロ・カマーチョの好調さを見れば、セパハン有利とは決して言えないところだ。

このグループはどこが抜けるか現段階でも予想が付かない。第5、6節は全ての試合に注目せざるを得ないだろう。

グループD



第3節
アル・サッド (カタール) 4-1 メス・ケルマン (イラン)
アル・ヒラル (サウジアラビア) 1-1 アル・アハリ(UAE)
第4節
メス・ケルマン (イラン) 3-1 アル・サッド (カタール)
アル・アハリ (UAE) 2-3 アル・ヒラル (サウジアラビア)

このグループは2番手と3番手の間に力の差があり、決勝トーナメント行きはアル・ヒラルとアル・サッドで決まりだと思っていた。アル・アハリは攻撃力はあるが守備力は大会最低クラス、メス・ケルマンはイランリーグで残留を争っていたのだから、誰が見ても当然の予想である。

しかしここでアル・サッドが良くも悪くもカタールのチームらしい不安定さを覗かせた。アウェイに乗り込んだ第4節、メス・ケルマンに3-1と大敗してしまったのである。状況的にアル・サッドはかなり厳しくなった。こうなると第5節のアル・ヒラルとのアウェイゲームでどうしても勝ち点を取りたいところ。ここで負ければアル・ヒラルの決勝トーナメント行きが決まり、第6節のメス・ケルマンとの試合に本気で臨まなくなる可能性がある。アル・サッドにとっては大一番になりそうだ。

一方盤石と言っていいのがアル・ヒラル。第3、4節とリードした後にサボってしまう悪癖を見せてしまい甘さを露呈したが、能力は本物だ。ラドイ、チアゴ・ネーヴィス、アル・シャルフーブを中心としたマイボールの支配力。イ・ヨンピョ、ヴィルヘルムソンの強烈なサイドアタック。アル・フレイディ、アル・アベドといった若手アタッカーの成長。さらに「スナイパー」の異名を取る点取り屋ヤセル・アル・カフタニも健在。決勝トーナメントでも必ず存在感を見せるはずだ。

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介