1999年5月26日は両チームにとって未来永劫忘れられない日となった。トレブルを達成したマンチェスター・ユナイテッドと、土壇場で天国へ突き落とされたバイエルン・ミュンヘン。明暗がくっきりと分かれたカンプ・ノウ(バルセロナ)での試合は、今やチャンピオンズリーグの伝説として語り継がれている。つい最近の事の様に感じられるが、既に11年の歳月が経過している。両チームにおける当時を知る選手は、ライアン・ギグス、ギャリー・ネヴィル、ウェズ・ブラウンのユナイテッドの選手3名のみ。現役選手ですら数えるほどしかいない。そんな両チームが今宵再び邂逅する。

【予想 フォーメーション】

バイエルンにとって念願の機会がようやく訪れたと言って過言ではないが現状は苦しいと言わざるを得ない。近年のユナイテッドは「チャンピオンズリーグの勝ち方を知っているチーム」。ミランにレッスンを受けていた頃のユナイテッドでは無く、ミランを完膚無きままに叩きのめしたユナイテッドである。対するバイエルンは「チャンピオンズリーグの勝ち方を忘れていたチーム」。グループステージではユヴェントス、決勝トーナメント1回戦ではフィオレンティーナを退けてきたものの、グループステージではボルドーの後塵を拝し、フィオレンティーナ戦では疑惑の判定が話題をさらった。近年のチャンピオンズリーグでは結果も残しておらず、成長過程のチームである。骨子が固まり、熟成期間に入ったユナイテッドとの間の差は大きい。

特に中盤の構成力と組織的な連動性はユナイテッドが1枚も2枚も上であろう。特にバイエルンはシュトゥットガルト戦で負傷したロッベンを欠く事が濃厚だ。リベリ、ロッベンで脅威を与え続ける事ができれば、ユナイテッドの連動性を止める事も可能だが、新鋭ミューラーではまだまだ力量不足の感が否めない。そして、ユナイテッドには頼れる切り札がいる。ミランから4得点奪い、輝きを放ち続けるルーニーである。彼を止めるだけの技術力も組織力もバイエルンDF陣には無い。クローゼ、オリッチの2トップにボールを届ける前に、試合が決まってしまうかもしれない。

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介