20日間に渡って行われたネイションズカップもいよいよ最終日。28年ぶりの優勝を目指すガーナと、3連覇を狙うエジプトの対戦となった。
Ghana
Egypt
守備的な戦い方を得意とするガーナは、少し人数を前方向にかけて攻撃を試みる、サイドバックが普段より前に出るなど、普段よりも攻守のバランスを取ってプレー。逆に普段攻撃意識が高いエジプトは、より守りにベースを置き、前に人数がかかり過ぎてリスクを高めないようにしていた。
試合のパワーバランスは完全に互角。ガーナがボールを動かせば、エジプトは足もとへのパスを狙ってカットし、両サイドに運んでシンプルにクロスを入れ、マークミスを誘う。決して攻撃に手を出しすぎて守備の人数を減らさないような攻めである。一方のガーナも簡単には崩れず、それを跳ね返す。いつもより多少攻撃的とは言うものの、運動量を使いすぎないように攻めのスピードを緩くしていた。エジプトの守備の細かいミスを利用した個人の突破に賭けたのだ。結果、互いにジャブを繰り出しあい、様子を見る展開が長く続いたのである。
状況に変化が生まれ始めたのは、後半も20分が過ぎてからのことだった。30度を超える気温の中、20日間で5試合をこなしてきた両チームに、徐々に運動量の減少が見られてきたのである。全体が間延びし、互いの守備組織に穴が出来始めた。
その穴を狙ってお互いが攻撃を展開する。まず決定的な場面を迎えたのはガーナ。75分からの数分間、セットプレーからセカンドボールを支配して押し込み続け、何度も決定的なチャンスを迎えた。しかし、エジプトゴールを割るまでには至らず。ここで先制できなかったことが結果的にガーナにとっては痛恨であった。
85分、劣勢になりかけていたエジプトにチャンスが生まれる。途中出場のゲドが左サイドから縦パスを送り、ジダンが受けてダイレクトではたく。そこに再びゲドが飛び出してワンツーを完成させ、最終ラインを突破してゴールを決めたのである。結局エジプトはこの1点を守りきり、大会3連覇を成し遂げた。
内容的に決して差はなかった。むしろガーナの方が決定的なチャンスは多かったといっても良い。勝敗を決めたのは、チャンスを得点にする能力。途中出場6試合でなんと5得点を決めたスーパーサブ、ナギー・ゲドの存在だったといって良いだろう。彼は得点王に加えて大会MVPにも輝いた。誰もが納得の選考である。
ガーナ 0-1 エジプト

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