遂に今日でグループリーグは最終日となり、決勝トーナメントに進出するチームが全て決定する。最後に残ったグループDは大混戦で、ガボンが勝ち点4、カメルーンが勝ち点3、チュニジアが2でザンビアが1と、まだ全てのチームに決勝トーナメントへ進む可能性があった。
Cameroon
Tunisia
今日はカメルーンとチュニジアの一戦をピックアップ。勝ち点3と2の対戦ということで、勝利したチームが決勝トーナメントへの進出する。ただし、ガボン対ザンビアの試合結果が「両者大量点が入ってザンビア勝利」と異常な状況にならない限りカメルーンは引き分けでもほぼ突破が可能だった。
1節、2節と内容が極めて悪かったカメルーンは、なんと大ベテランで代表の柱であるリゴベル・ソングとジェレミをスタメンから外すなど、実に6人を前節から入れ替えた。両サイドバックはビニャとマンジェクが入り、センターバックには若いシェジューを使った。また3トップの一角に本来ボランチを得意とするヌゲモを配置するなど、多くの変化を求めた布陣であった。
しかし、立ち上がりから試合を支配したのはチュニジア。開始1分でスイッシのクロスからシェルミティがヘディングで先制点を決めると、その後は前線からの精力的なプレッシングでカメルーンにロングボールを放り込ませ、単発の攻めに終始させたのである。
前半45分を厳しい内容で折り返したカメルーンは、1節、2節に続いてハーフタイムで選手交代を行う。マクーンをベンチに下げてストライカーのウェボを投入するとともに、3トップの一角であったエンゲモを本職の中盤へ戻した。するとこれがいきなり効果を発揮する。イドリソがバックヘッドで裏のスペースに流すと、それをウェボが飛び出して受け、ペナルティエリア内に折り返す。これをエトーがシュートに持ち込み、ゴールに決めたのである。試合再開からわずか1分弱での出来事であった。
しかし64分、カメルーンは自らその得点を台無しにしてしまう。交代で入ってきたベン・サーダのクロスボールを、シェジューがキーパーに戻そうとヘディングする。しかし、やや前にポジションを取っていたカメニと連携が取れていなかった。カメニは何とか弾き出そうとしたがわずかに届かず、ボールはカメルーンのゴールの中に吸い込まれれたのだ。今大会初めてスタメンに抜擢された緊張のせいか、シェジューは前半から軽率なミスを連発しており、カメルーンの守備に不安定さをもたらしていた。ついにそのプレーが失点に繋がってしまったのである。
しかし、その失点からわずか1分後、またしてもカメルーンの攻撃陣がチームを救う。右サイドを突破したイドリソからのパスをウェボが受け、ペナルティエリア内でキープし後方に繋ぐ。2列目から飛び出してきたエンゲモがシュートを放ち、ネットを揺らした。
カメルーンが後半2点を決められたのには理由がある。前半は、チュニジアのプレッシャーを怖がって放り込むだけで、ボールを前に運んでも連携が遅く、個人の力に頼りきりだった。しかし、後半は縦に速い展開に対して選手の意思が連動。前線が積極的に縦に走り、入ってきたボールを早く動かし、チュニジアの守備を崩した。
また70分にリゴベル・ソングをピッチに投入しシェジューをサイドに移したことで、ディフェンスも安定感を取り戻し、運動量が落ちて間延びし始めたチュニジアを封じることに成功。終盤はパワープレーで攻め込まれたものの、最後までゴールを守りきった。カメルーンは自滅しかけた流れをハーフタイムの修正と交代で乗り切る、という前節と同じ展開で何とか崩壊を免れたといえよう。こうして試合は2-2の引き分けで終了した。
なお、他会場でザンビアがガボンに勝利したことで、ガボン、ザンビア、カメルーンの3カ国が勝ち点4、得失点差0で並ぶ結果となった。大会のルールを再確認すると、勝ち点が並んだ場合は、以下の様に順位決定が行われる。

(1):当該チーム同士の勝ち点
(2):当該チーム同士の得失点
(3):当該チーム同士の総得点
(4):全チームの得失点
(5):全チームの総得点
(6):フェアプレーポイント
グループDは最終戦の結果、(1)と(2)でも並んだため、(3)の項目によって順位が決定された。チュニジアを除いた3カ国間の試合の結果から、総得点4のザンビアがグループを首位で通過。総得点3のカメルーンは、2位で決勝トーナメント進出を決めた。試合前は首位であったガボンは、(3)で比較して総得点2とわずかに及ばず、なんとも悔しい敗退となった。
カメルーン 2-2 チュニジア
ガボン 1-2 ザンビア

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