大会8日目の第2試合には、第1節でまさかの敗北を喫したカメルーンが登場。アフリカ大陸を代表する強豪チームのプライドとして、グループリーグ敗退は許されない。対するザンビアとは力の差は歴然であり、この試合は勝利が義務付けされたようなものだ。
Cameroon
Zambia
ところが、試合はまた意外な展開を見せることになる。キックオフから僅か8分での出来事だった。ジェレミの軽率なパスミスからザンビアがボールを奪い取り、フェリックス・カトンゴが左サイドを突破してグラウンダーのボールをペナルティエリアへ送る。リゴベル・ソングがヘディングでクリアを試みるも失敗、GKカメニが自殺点を避けるため必死で弾く。それをムレンガが再びシュート、ゴールに押し込んだのである。なんとザンビアが驚きの先制点をあげる。
先制点を許し窮地に立たされたカメルーン。2連敗は絶対に避けなければならないため、必死に反撃を試みる。しかし、今日のカメルーンも出来が悪かった。ボールを繋ぐ意識はあるものの、ゴール前や敵陣サイドの深い位置など、大切な場所に限って連動性を欠く。ビルドアップに時間をかけすぎる為、前線に人が密集。最終的にはサイドからボールを放り込むだけという単調な攻撃に終始。攻撃に人数を割いているだけで、怖さがなかった。
さらにはリゴベル・ソングやヌクルといった守備陣が不安定で、シャマンガとムレンガのスピードに四苦八苦。カウンターからの簡単な突破を許したり、浮き球の処理を失敗してみすみすボールを相手に渡したりと、軽率なミスも連発。結果として、ザンビアの良い所、カメルーンの悪い所だけが目立つ前半となったのである。
そこで、カメルーンのルグエン監督はハーフタイムを挟んで2人を交代。ベディモに変えてビニャ、チョイに代えてイドリスを投入し、フォーメーションは4-2-3-1に変更する事で事態の打開を図った。
戦術変更の狙いは、トップ下に移ったエトーにボールを集め、得点に直結する位置でイドリスとの縦の関係を作り、効果的な連携を生み出すこと。さらに、ロングボールや縦に早い攻めも試みて、プレースピードを上げるという意識付けも加わった。この変更はかなり効果を発揮するも、ザンビアの人数をかけた守りが堅く、なかなか決定的な場面を作り出せない。カメルーンにとっては非常に悪い流れだった。
しかし68分、試合の展開を変える大きな出来事が起こる。タッチラインを割りそうになったボールを、ジェレミが食らいつき、一か八かのクロスを上げる。するとこのボールはザンビアゴールへと向かい、さらにはGKのムウェーネがキャッチミス。脇の下を抜けたボールはゴールマウスへ吸い込まれ、カメルーンの同点ゴールとなった。そしてこの得点を皮切りに、試合は動き出す。
直後の72分、カメルーンは再び攻撃に転じる。ザンビアはこれまでの様なプレスをかけることができず、サイドで一対一の状況を作ってしまう。それを見たチョイがドリブル突破からクロスを入れると、カンパンバがクリアしたボールがエトーに渡り、カメルーンの逆転ゴールが生まれたのである。
ついに勝ち越したカメルーンだが、9分後に今度はザンビアが追いつく。DFライン裏へのパスにムレンガが飛び出し、カバーに出てきたGKカメニのスライディングタックルで倒される。これがペナルティキックの判定となり、クリストファー・カトンゴがお洒落なチップキックでゴールを決める。優勝候補のカメルーンは絶体絶命の窮地に立たされた。
しかし、試合は終わらなかった。86分、ジェレミが柔らかいアーリークロスを入れると、イドリスがスンズに高さで競り勝ってヘディングシュート。これがゴールネットを揺らし、カメルーンが再び勝ち越しに成功した。
1点差の攻防が続いた68分までとは異なり、点の取り合いとなった終盤。激しい戦いはカメルーンが3ゴールをあげて競り勝つ結果となった。ザンビアにとってはミスから自滅し勝利を手放した悔しい内容であった。
カメルーン 3-2 ザンビア

【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ

大谷翔平より稼ぐ5人のサッカー選手