2009-2010シーズンのUEFA CL、グループリーグ第2節の対チューリッヒ戦。ホームであるサンシーロで敗戦を喫したミラン。この結果を含めると、シーズン開幕から今日までに記録した成績は3勝3敗2分。イタリア現地メディアは、当然、ビッグクラブに対してこの数字を許すわけもなく、翌日の各スポーツ・トピックスには「チューリッヒ、ミランを一刺し!!」、「サンシーロにミランのノックアウトを告げるホイッスルが鳴り響く!!」と追い討ちをかけるかのように並んだ。だが、今回のこの敗戦は冷静に分析すれば、ミランに悲哀すら感じてしまう。
冒頭の一文。これはレオナルドが試合の結果を受けて発言したものであるが、その後にはこう続いた。
時として、ゴールというものは非常に遠く感じるもので、不条理なほどに入らないこともあるが、結果は結果。それがイタリアでは特に求められるものであるのは周知の事実であり、ミランというビッグクラブであれば、なおさらのことなのだ。内容を理解することよりも先に結果を評価することは、この国のサッカー文化でもある。
しかし、ネスタのコンディション不良により、後半途中で事故的な選手交代をするハメになったことや、終了間際にゴールポストを叩いたザンブロッタのミドルシュートを筆頭に、チューリッヒ以上の決定機を作りつつも1点も奪えなかったツキのなさがあったこと。これもまた事実である。
だが、「レオナルドには全幅の信頼を置いている」と事ある毎に主張している、副会長ガッリアーニがその裏で9月にローマの監督を辞任した、スパレッティにコンタクトを取っていたことを明らかにするなど、ピッチ外の話題はますます盛り上がるばかり。
はたして、この男はレオナルドの言い訳を何度まで許してあげられるのだろうか。これまでに彼がピッチ外で繰り広げてきた騒動を覚えているものには、その短気っぷりを改めて説明するまでもないだろう。ガッリアーニのキャパシティー?大きく見積もってもコップ一杯が関の山といったところか。