関東社会人1部南葛SCは4月27日に、ヴェルフェ矢板戦(28日、4-0)に向けた練習を都内で公開した。この日風間八宏監督は選手たちを鼓舞しつつ、矢板戦に向けてコンディションを高めるようにチームを調整していた。

昨年11月に南葛SCの監督とテクニカルダイレクターに就任。川崎フロンターレを指揮し、常勝軍団の礎を築いた名将はキャリアで初めて関東1部リーグに挑戦している。

風間監督は「手応えは1日1日、毎日あるよ。毎日あるけど、選手はどんどん変化していく。これをやってこうするという形ではない。どんどん自分たちが上に行けば行くほど基準が変わっていく。基準というのは数字だから。数字というのも『速さ』。それが変わってくる。そういう意味では、もちろん手応えもあるけど、それがいいということでもない。まだまだいろんなことが変化していくなというところです」と現状のチームビルディングの手応えを口にした。

選手を指導する風間監督(左)

風間監督は筑波大卒業後にジョイフル本田を経て、1984年にドイツ1部バイヤー・レヴァークーゼンに入団した。同チームはシャビ・アロンソ監督の指揮下で今季ブンデスリーガ初優勝を飾った。

プロキャリアを始めたチームの初栄冠について風間監督は「そりゃめちゃくちゃ嬉しいし、やっぱり『プロとは何ぞや』をどういうものかと自分の頭ができたのはそこの1年だから。やっぱり全てのスタートはここにあるかなという気がしている、非常にお世話になったチーム」と笑顔を見せた。

優勝を喜ぶイレブンとシャビ・アロンソ監督(中央)

今季のレヴァークーゼンはリーグ戦25勝6分無敗と圧倒的な戦果を挙げており、国内カップ戦、ヨーロッパリーグでも黒星はついておらず、公式戦45試合無敗と類を見ない快進撃を見せている。

「(自身がいたころは)まだ新興チームだったから、すごくいいチームでそのときは(デットマール・)クラマーさんもいた。そこで全てを教えてもらった。だからすごく(優勝が)嬉しい。スタジアムだってあんなじゃなかった。なおかつ今回は見ていて非常に面白いサッカーで、勝っただけではない。いままでの歴史の中でレヴァークーゼンはもちろん最初はお金があるチームであるんだけど、すごく堅実に選手を集めてきたり、監督をしっかり呼んできたり、色々なことをしながら(クラブを)作ってきたことが非常によくわかる。それがみんなに人気のある『サッカーで勝った』ということが僕はすごく嬉しかったです」と古巣のリーグ戦優勝を心から祝福していた。

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ドイツ国内では企業チームとしてやり玉に挙げられるチームだったが、長年努力を重ねて挑戦者としてブンデスリーガ初栄冠を勝ち取った。日本で先進的な挑戦を続ける南葛SCは風間監督の指揮下で今季どのようなサッカーでファンを驚かせるのか。名将の新天地の挑戦から目が離せない。

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